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夢喰旅行  作者: 憂。
1章 初めての日記
7/10

目覚めの朝

 …ふぁぁ、眠い…。

夢の中に入った後はいつもより疲れてしまうのか、眠さがなかなか抜けません。あれ、今日のは掃除と模様替えのせいかな。まぁ、細かいことはいいんです。


昨日ご馳走を食べた後、夢の中のフェイさんとティアナさんを観察してましたが、もう問題は無さそうだったのですぐに夢の世界から退散しました。現実のフェイさんもうなされている様子もなく、おふたりともスヤスヤと寝てました。

来た時と同じように窓からそーっと抜け出して、ぶぅちゃんと一緒に歩いて帰りました。帰り道はご馳走の後なのでルンルンでした。

…よくよく考えたら、窓から出入りするなんて泥棒みたいだな。やり方考えないといけませんね。見られたら怒られちゃう。


こんな感じで、フェイさんの悪夢問題は一件落着しました。私とぶぅちゃん、あとは夢の中のティアナさん、みんなの力でやってやりましたよ。ええ。


「ぶぅ…ぶぅ…。…ぶぅ!」


あ、起きた。おはよ、ぶぅちゃん。

今日はティアナさんとフェイさんの様子を見に〈ハウ〉まで行きます。お買い物は今日はしないので、ぶぅちゃんとお散歩ですね。


…街に行くまでは正直何も無くて、朝ごはんを食べて、ぶぅちゃんにご飯をあげながらゆっくり歩いていくだけです。それで、ゲートをくぐると、


「ようメルアちゃん!今日もぶたさんとお買い物かい?」


いいえ、今日はお散歩しながらティアナさんのお家に行きます。


「そうかそうか!お散歩は良いもんだな!よしっ!この果物をあげよう!味わって食べるんだぞっ!ハッハッハ!」


ありがとうございます。

剣のおじさんは今日も声が大きくて元気です。この人が悪夢を見ることなんてあるのでしょうか…想像つかない。悪夢なんて気合いで吹き飛ばしてしまいそうな人ですからね。そんな人ばかりだと、私が困るのでやめて欲しいのですが。剣のおじさんはこの人1人だけで充分ですね。


果物をぶぅちゃんと食べながら歩いていたら、ティアナさんのお家に着きました。ご飯食べながらのお散歩も良いものですね。剣のおじさんの言った通りでした。日課にしようかな。


「ぶぅ!」


ぶぅちゃんも楽しそうだし、前向きに検討しましょう。


果物を全部飲み込んで、早くお家に入りましょう。おはようございまーす。メルアでーす。


「あら、メルアちゃん。いらっしゃ〜い。ふふっ」


ん?今日はご機嫌だな。


「ふふっ。実はねぇ〜…あっ、それよりも早くっ!上がって上がって!」


強引に引っ張られて、椅子に運ばれました。フェイさんも今日は起きてるようです。おはようございます。


「ああ、メルアちゃん。おはよう。」


…顔色が良い。成功したって事かな?良かった良かった。


「それでね〜?メルアちゃんに聞いてほしいのよ〜!」


ティアナさんがご機嫌でテーブルに料理を並べています。何を話されるんだろう。ぶぅちゃんも不思議がってます。


「フェイさんったら、私の事が好き過ぎて仕方がないから、何をするにも2人で行動したいって言ってきたのよ〜。しかも突然なの。これもメルアちゃんのおかげなんでしょ〜?この人がこんなに素直になってくれるなんて…私すごく嬉しくて!」


ああ、なるほど。もうそのお話は終わっているんですね。フェイさんは顔を真っ赤にしてそっぽを向いてしまいました。面白い。

ティアナさんは今まで以上にニコニコしていて、女の私から見ても美しいと思いました。美人、ふわふわお姉さん。フェイさんは幸せ者だな。


「それで、メルアちゃんにご馳走してあげたくて…こんなに頑張っちゃいました!えへへっ。」


なんと。このご馳走は私の為に。

では遠慮なく頂きましょう。いただきます。


「どうぞ〜。召し上がれ〜。ほらっ、貴方も食べて?ふふっ。」


フェイさんは真っ赤になりながら、小さくいただきますして食べ始めました。前よりイチャイチャしてないか?この2人。可愛いからいいですけど。


ご飯を4人で食べていると、急にフェイさんが口を開きました。


「…メルアちゃんには本当に感謝しているよ。悪夢を見ることが無くなっただけでは無く、ティアナに素直になる事が出来た。君にお願いして…本当に良かった。ありがとう。」


いえいえ。私はおふたりが幸せそうなのを見られただけで充分満足ですよ。


「ただね〜。この人ったら私とずっと一緒に行動できるようにって、お仕事も辞めちゃったのよ〜?ふふっ。お仕事より私を選んでくれたの!私って幸せ者だなぁ…。」


…ん?それは大丈夫なのか?

恋は盲目という言葉は聞いたことがありますが、この2人はまさにそれだなと思いました。

お店はどうするんですか?


「それなんだが…メルアちゃん、良かったら使ってくれないか?」


…はい?


「僕のように悪夢にうなされ困っている人は沢山いるはずだ。皆言えないだけで、この街でも何人も。そんな人達を、メルアちゃんの力で救ってあげて欲しい。そうすれば…この街ももっと良い街になると思うんだ。」


なるほど。確かにそれは良い提案かもしれません。

お店としてやれば、お悩みを持っている人も来やすいですし、私はコアに困ることも無くなる。良い事しかない。

私で良いなら、是非。


「あっ、ちなみになんだけど〜…。お店の家賃というか…そういうのはしっかり貰うからね〜?ふふっ。」


…ティアナさんは、ふわふわしてて抜けてるように見えるけど、しっかりし過ぎているな。

まぁ元々お金はある程度お渡しするつもりだったので、問題は無いのですが。


「店は家の隣の建物だから、帰りに見ていくと良い。これからは、メルアちゃんのおみせになるんだからね。」


はい、わかりました。ごちそうさまです。


これからもお世話になりますとおふたりに挨拶したところ、どちらも凄いニコニコしながら私の頭を撫で回してきました。髪の毛がぐちゃぐちゃになってしまった。…でも悪い気はしません。


ティアナさんのお家を出て、なんのお店なのかも分からないまま私が頂いた建物に到着しました。意外とでっかい。

今度フェイさんになんのお店なのかを聞くとして、今日からは私のお店です。


こうして、私のお店『夢喰屋』が誕生しました。

この日から、私の『夢喰旅行』が本格的にスタートです。

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