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夢喰旅行  作者: 憂。
1章 初めての日記
3/10

ティアナさんとフェイさん

「は〜い。どちら様かしら…あら、メルアちゃんね〜。こんにちは」


はい。こんにちはです。


このふわふわしたお姉さんはティアナさんです。先程お話した、剣のおじさんと一緒にお話してくれた女の人です。いつもふわふわしてて、いい匂いがします。落ち着く。


「はいはい、ぶぅちゃんもこんにちは〜。それでメルアちゃん、今日はどうしたの〜?」


なんか悪夢を見るとか見ないとかで、フェイさんに呼ばれました。


「あ〜そうなのね〜。あの人…最近寝起き良くないみたいだから…メルアちゃん…お願いね?」


ティアナさんにもお願いされてしまったら、頑張るしかありませんね。頑張るぞ、おー。

と言っても、悪夢じゃないと乗り気はしませんが。


立ち話もなんだからと、お家の中に招待されました。私の家よりだいぶ広くて、大人2人が住むとやっぱり違うんだなぁ。私からすれば豪邸です。ぶぅちゃんのお部屋も作ってあげられそう。ふふふ。


「はいどうぞ、ハーブティーと…ぶぅちゃんはミルクね?」


「ぶぅ!」


ありがとうございます。…うん、温まるし美味しい。

今日はこれを飲んでゆっくりしたら帰ろうかな…いやいや、頑張るって決めたし、やらなきゃ。うん。


そういえば、フェイさんが居ない気がします。寝てるのかな。あ、フェイさんはティアナさんの旦那さんです。いつもふたり一緒で、ラブラブって感じがします。ひゅーひゅー。


「あの人はまだ寝てるのよ…ふふっ。悪夢を見るなんて言いながら、ホントねぼすけさんなんだから〜」


凄いニコニコしてる…。この人たちは人生楽しそうだな…。

フェイさんが起きるまでティアナさんとお話をする事にしましょう。ティアナさんとお話するのはいつも楽しいのですが、だいたいがフェイさんのお話なので、私もどんな人なのか詳しくなってきました。でも、なんか今日は少し暗い…?というか、いつもと感じが違いますね。


「…多分、あの人がメルアちゃんにお話したくらいかな〜。あの人、最近嫌な夢を見るって言うようになって、私がどんな夢〜?って聞いても答えてくれないし…ちょっと寂しいな。」


この人も、こんな暗い顔するんだな。いつもニコニコのふわふわお姉さんだと思っていたので、思わぬ収穫。…でもなんでしょう。ティアナさんの暗いお顔は見ていて心が痛くなります。


「メルアちゃんが今日来てくれて、私ほんと嬉しかったのよ〜?前みたいに、ばばーん!ってお悩み解決して、前みたいな日常を取り戻してくれるんじゃないかって!」


おお、凄い期待だ…少しプレッシャー。


私が悪夢のコアを食べると、その人の悪夢も綺麗に無くなってしまうようで、結果的に人助けを出来ているみたいです。コアが無くなって、悪夢が形を維持出来なくなるのかもしれません。私はご飯を食べているだけなのですが、これぞ、良い悪魔って感じですね。


ちなみに、私のご馳走第1号はこのティアナさんです。悪夢が美味しいと発見させてくれたのもティアナさん。この人にはお世話になりっぱなしだな。恩返ししたい。


私で出来る事なら頑張ります。ぶぅちゃんと一緒に。


「ほんと!やっぱりメルアちゃんはいい子だね〜。よしよし〜。」


抱きついて、頭をよしよしされています。

フードを被っているのに、その中に手を突っ込んでわしゃわしゃされている…器用だな。


「おはよう…ふわぁぁ…」


私がティアナさんの人形になっている間に、フェイさんが起きてきました。おはようございます。


「あら、おはよ〜。メルアちゃん来てるわよ〜。」


「ん…?あぁ、そういえば今日だったね…ふわぁぁ…お待たせ、メルアちゃん。」


フェイさん、めちゃくちゃ眠そうだな。

そんだけ眠りの質が悪いんでしょうか。ティアナさんが心配になるのも少し分かります。少しずつ、お話を聞いてみましょう。どんな夢なのか、とか、色々気になりますからね。


「ああ、夢の話ね…。あんまり内容は…言いたくないんだけど、ここ最近ずっと嫌な夢を見てしまっていてね。眠れはするんだけど、その夢を見るとすぐ目覚めてしまうんだ。寝汗も酷いし、早くどうにかなればいいんだけど…。」


…なんか、凄いティアナさんの方見てるなぁ。なんでしょう。イチャイチャしたいのかな。あとそろそろ撫でるのと抱きしめてるのをやめて欲しいな。もしかしたら私とぶぅちゃんはお邪魔なのかもしれません。悪夢っぽいですし、それなら私も解決出来そうなので、力になれるかな。よし、買い物して帰ろう。


「メルアちゃ〜ん、またお話しようね〜!」

「今日は来てくれてありがとう。…是非とも、悪夢をどうにかして欲しい。」


はい、任せてください。あと、出来たら寝室の窓の鍵は空けておいてください。入れないとしょんぼりしながら壊しちゃうかもしれないので。


「ぶぅぶぅ!」


ぶぅちゃんと一緒にふふんと胸をはり、ティアナさんのお家から帰ります。いい匂いだったな。お洋服についてるかも…くんくん。…私の匂いだ。


夜に食べられるものと、大きなお魚、お家を掃除したいので掃除用具を買って、街を出ます。2人のお家に帰るよ。


夜に向けて、お魚を食べて元気をつけないといけませんからね。儀式では無いですが、悪夢を食べる前はお魚を食べるようにしてます。骨は嫌いですが、油っこくなくて美味しい。


うん、今日のご飯は満点ですね。

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