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四話 活動開始

「おい!聞いたか?」


ざわざわと声が聞こえる。


「おう!知ってる!今まで軟禁されていた三番目の王子が今頃になって王位継承者になのりをあげたってことだろ!」


「ああ、なんでいきなり三番目の王子がって思うよなやっぱり・・・」


「あっそれ!なんでも何百年に一度の神の使いが現れたそうだぜ!」


いきなりあらわれた男に少し驚くがその言葉のほうが興味がわき、その話にあわせる。


「神の使いってまさかドラゴンか!?」


「ああ!そのまさかだよ!!この話を聞いたときは興奮したね!!この世にその歴戦と共に語り継がれる聖ドラグーン世紀の幕開けなのかってね!!」


「そうだといいな、あの語り継がれるほどの平安な時代がくるなら、」


でもよっと少し暗い顔をして男がぼそっという。


「ドラゴンは平和の象徴だけどさ・・・不吉の兆しともよばれてるしな・・・」


その言葉に三人の男達は俯いて言葉をなくす、冷たい風が背中をまるでそうだと同意づるように吹き付ける。

一人が立ち直るように顔を空に上げて自分に言い聞かすように言う。


「なーに!これだけ酷い状況じゃあ、これ以上酷くなることはないさ!」














人々は道端に倒れる。何も出来ない人々は病に怯えどうする事も出来ない、人の心は乱れ、それでも回り続けるこの世界



激しさだけが身を焦がす・・・


















目を覚ますと暖かなベッドに寝ていた。カーテンの隙間から零れる日の光に目を細める。





「ここは・・・!!」



ランティーは勢いよく背を起こすがすぐにベッドに倒れる。


「っ!」


体が重りをつけたように動かない


「これは、完全にダメだな・・・」


こんなに動けないのは久しぶりだとのん気に構えるランティーは何気に余裕のようだ。

でも今のままじゃ逃げられんな・・・と考えるランティーは目を瞑った。


「まだ、起きないのかこの方は・・・」


「はい、ずいぶんとお疲れのようすでぐっすりと眠りについております。」


低い男らしい?声と女性の少し高い声にランティーは耳を傾ける。


「アルアはもうこの方の名前をお聞きしたのか?」


「いいえ、あの時以来この方は眠り続けておられまして、お声さえもまだ・・・」


「そうか・・・早く目を覚ましていただきたいものだ。」


「・・・」


「早く、あやつの噂を消せねばならんからな!!!」


足音が聞こえ扉が閉まる音が鋭く響く。


「・・・王はこの方が決めるのではありません・・・意志が決めるものと信じております、だから安心してください。」


何をと思うまもなく触れてくる手に少し震えて、しまったと思うまもなく優しい手は離れとうざかる音が聞こえた。








『王様?王様、寝たふり?』


しばらくするとぱたぱたと羽音が聞こえて目を開けるとヒョコッとあらわれたピヨに少し笑って今度はゆっくりと背を起こす。

ピヨはランティーの膝に乗る。


『ピヨ、驚いた!王様、無い。王様、倒れた!!』


ピヨはランティーのひざをくちばしでつつく。

「ごめんな、オレもあのときは少しあせったよ。」

ピヨはランティーをつつく事に飽きたのか首をくるりとかしげた。


『王様、ここへんだよ?ピヨはよそもの?』


「???」


『ピヨ、言われた!始めて!』


よそ者とは動物達にとって縁のない言葉だ。動物達にとって人間以外の地上に生

きる者達は全て仲間、ギブアンドテイクであるかぎり邪見にする事はないのだ。

けれどピヨは情報を集めるさいに全ての動物である仲間に言われたという。


「ここについた時もおかしいと思ったけれどこれは…」


全てがおかしい、俺がおかしくなったのか…ってさすがに俺がおかしくなった訳

ないな……それに、俺は『あいつ』の事を知りたい、ただ漠然とそう思った。あ

の悲しげな顔が頭から離れないからかもしれない…なんでだろ気になる…


「もっと情報がほしい」


ピヨはピピッと鳴くと話し始めた。


『ピヨも思う、ここへんだよ。もっと知りたいって思ったから、みんなに王様の

事話した、でもねみんなは王様の事知らないって!なのに人間達、知ってるの?

おかしよね?』


「分からない事が多すぎる。ピヨ、調べてきた早々、悪いけどもう一度調べてき

てくれる?」


『うん、分かった!』


ピヨはランティーのひざから窓の外へと飛び立った。それを見送ったランティー

は重い体にムチうってベッドからはいでるとゆっくりと立ち上がった。


「これだけはしたくなかったけど仕方ない…」



ランティーは目を閉じてゆっくりと深呼吸をした、体に力をいれると光がランテ

ィーの体から溢れ始め背から妖精のような羽根が七色に光ながらランティーを包

み込み一層強く光を放つと羽根はランティーから離れ一回羽ばたくと空気のよう

に消えた。

こんなものかと長い髪を払うランティーの手は少し小さく、胸にはふっくらとし

た膨らみが見てとれる。ランティーは顔にしわを寄せながら鏡を見た。そこに映

っているのはランティーにそっくりな『女の子』である。

(うっ…いつ見てもいい女、俺の好みなのがまたショックなんだよな〜)目は少

し大きく、長いまつげで影を作るほどだ、シャープだった顔もふっくらと肉がつ

き卵形の顔つきになっている。





「うっし!嫌がッててもしかたない!!活動開始だ!!」


ピンと腕を張り上げ、空に指をさした。

















なかなか進みません、いちよ次の話でカリウス王子と会う事になると思います。

これからも頑張ります。


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