プロローグ
例えばの話だが、ライトノベルには大まかに2種類の物語がある。
主人公が異世界に迷い込むハイファンタジー。
もう1つは、逆に主人公の世界に異世界のものが干渉してくるローファンタジー。
俺の人生を2種類のライトノベルに分類するのならばローファンタジーの方だろう。
そしてローファンタジーでよかったともつくづく思う。
家があるし、食事も、お風呂もある。
異世界に迷い込んではこう上手く行くとも限らない。
ところで俺の人生はローファンタジー、といった。
根拠は当たり前だがある。
根拠がないのに言うやつはただのホラ吹きだ。
俺は違うな。
とはいっても、そんなことになったのもつい最近の話で正直俺も慣れていない。
ラノベの中では主人公が様々な問題に巻き込まれる。
むしろ、主人公が引き付けたかのように。
問題、ローファンタジーに視点を置いて言うのなら宇宙から宇宙人がやってきたりだの。
異世界から訪問者が来るだの。
生徒会長が悪魔だっただの。
普通に生活をしている中で、突然イレギュラーな事態が起こるといったようなものが多い。
俺もそのイレギュラーの中のひとつに過ぎないのだが……まぁ、先に挙げたどれにも当てはまらない。
俺の場合は【神様】が来た。
家に突然【神様】が来たのだ。
神は出会ってすぐこういった。
「いてててて……」
誰が傷を痛がる神を想像する？
大体のやつはゼウスを想像するだろう。
ヒゲのすごい神。
こちらの神は女の子。
年は見た目で17、8といったところだろうか。
俺と同い年くらいに見える。
服装は和を基調とした巫女のような服を着ている。
髪はチョコレートブラウンとでも言おうか。
長い髪は纏められておらず、後に流している。
中腹部くらいの長さだ、艶も綺麗。
恐らく綺麗に調えてあるのだろう。
もしくは、神の力とやら。
何の神かと言うと【付喪神】という神だという。
…………この時点で気付いた人もいるかと思う。
【神様】じゃねえ。
