イタズラの結果
6話あらすじ
姉がいない間に、私は姉の振りをして姉の彼氏と会い、からかってやろうと思いついた。
ちょっとしたイタズラのつもりだった。
ちょうど一昨日から帰ってこないから、チャンスだと思ったのだ。
姉の恋人に、こっそり姉の振りをして会って、からかってみる。
私たちは双子だから、外見だけで他人に入れ替わりを見抜けるはずはない。
姉のご自慢の彼氏でも気づけないということを、心の中で嗤ってやるつもりだった。
「ねえ、君は本当に●●?」
会ってすぐ、姉の名を呼んで確かめようとする男に、私は腹を立てた。
双子がいることは知らないはずだ。
だからひと目で見抜けるはずはないのに。
男の態度はよそよそしく、表情は強張っている。
すぐにバレてしまっては、また姉に自慢される。
なんとかして、誤魔化さないといけない。
「何死んだはずの人を見るような目で見てるのよ」
苦し紛れの私の軽口は、いっそう男の表情を硬くするだけだった。
なぜ簡単に見抜かれてしまったのか、わからない。
性格の悪い姉の勝ち誇った顔を思い浮かべ、苛立ちで頭の中がいっぱいになる。
周りが目に入らなくなる。
ふと気がつくと、男が私の首に手を伸ばしているところだった。




