第四話 自宅警備員は話し合う
会見を終えて、一息つける状態にようやくなれた。今思い返せば嵐のような会見だった。まず最初に首相が僕の紹介と大元帥への昇格などの式典を簡易的に行い、その後に学生の徴兵の発表をした。当然記者からの質問攻めは半端じゃなかったよ。一部の記者は大日本帝国の時代の再来だ!だのファシズムだ!なんて会見中に叫ぶ記者が居たけど退場してもらったよ。
もちろん、僕の口からこれが最善の手であるという発言もしたよ?有識者の記者たちは理解してもらえたようだが、共産主義に毒された方々は・・・・・手の施しようがないがね。一応我が国は民主主義と資本主義の国だから有権者の言葉を無碍にできないのがつらいところなのよね。と、今現在の状況を整理しながら一息ついていると海将から提案がある提案が出た。
「本日は一度、基地で宿泊されてはどうでしょうか?」
確かにその提案は海将にとっても、僕にとってもいい条件だ。僕は今現在進行形で連邦軍の最高指揮官だ。そんな僕が死なれては海将にとってもあまりよくないし、僕も死ぬから良くない。これはもちろん。
「もちろん基地の方に泊めていただきたいです。というよりもこれから基地の方に住みたいと思いますのですがどうでしょうか?」
「そうですか。それでしたらこちらで部屋などを手配させていただきます。」
「はい、よろしくお願いします」
海将はスマホを取り出して部屋を用意するように手配を始めた。
やはり、大元帥になると命が狙われる危険性もあるしこれからは基地で寝泊りしなきゃいけないってのもあるし、緊急時に即座に指令が出せるというのもメリットもある。しかも住むって言ったら案外すんなりいけそうだ。
海将がスマホをポケットの中に入れてすぐさま名古屋基地の方に移動するできるようにそこらへんに居た係員に手配するように言った。さて、これからどうするかな。力があるんだから面白いことをしないと勿体無いってのもあるし・・・・。
とりあえず海将と話をしながら決めるとしよう。海将が名古屋基地へ行くために手配した車に海将と乗ると、海将から僕に質問を投げかけてきた。
「大元帥殿は・・・・・どのようにして共産陣営を軍事的に押し返すお積りでしょうか?」
ふむ・・・・・。ごもっともな質問ですね。
「正直な話をしますと、アメリカ中心の資本主義の連合の支援がどれくらいで来るのかというのにもよりますね。」
「開戦が確定してから約三ヶ月から長くて六ヶ月と言ったところでしょう。軍の編成を行わなければなりませんし、各国では議会の承認などもありますから。」
今の現状を鑑みるにもし戦争が起きたら次が最後の大戦争・・・・いや、世界大戦だろう。正に全ての戦争を終わらせるための戦争だな。と、なれば・・・・まずは米議会と大統領がどんな人間かが重要だ。
「米議会ともに大統領に有識者で肝が据わった人を海将は知っていますか?」
「というよりも、今現在の米議会ではどちらかと言えば反共産のタカ派の方が多いです。今の大統領も大統領選挙で反共産主義を掲げたインパクトのある人です。」
「それならば・・・・・三ヶ月半ぐらいを目処に戦闘計画を立てましょう。」
「はっ・・・・。それでは東海連邦の現保有戦力についてご説明させていただきます。東海連邦は学生の徴兵を行うことにより、従来の陸軍に約四軍団相当の人員補給が行えます。1軍団辺りにつき約七万から八万ほどの兵力があるとお考えください。また、九州などの方面の日本国イギリス領からは3軍団相当の援軍が期待できます。次に海軍ですが、米国との海軍戦力援助条約によってアーレイバーク級ミサイル駆逐艦が15隻とニミッツ級空母が2隻へ戦力が増強されました。航空軍はアメリカとの航空戦力共同開発条約により新型戦闘機のJA-01を開発してF-15Jからの機種転換を行っております。機種転換につきましては現在約80%ほど終わっております。」
とりあえず、敵がどんな感じかわからんと意味が無いってとはあるな。
「共産陣営はどんな感じですか?」
「共産陣営に関して言えばまず海軍戦力はほぼ無いに等しいです。航空軍は未だにGスーツを研究できていいないようですし、機体もデジタルではなくアナログによる出力などを未だに採用しているそうです。さらには我々東海連邦空軍は世界最強との呼び声高い空軍ですよ?あちらに勝ち目はほとんどありません。戦闘機同士の戦いならば連邦軍は負けません。」
「んで、陸軍は?」
海将は苦笑いしながら黙ってしまった。
「何か悪いことでも?」
「実を言いますと・・・・・難攻不落と言われる超巨大要塞線があるのです。」
「難攻不落?一体どこに?」
「福島北部に存在する要塞線で通称、福島絶対防衛線。それの何が厄介かと言うと一つに対空設備がお腹一杯とパイロットが言いたくなるほどあり、2つ目に山岳地帯がいくつかあり、なおかつ福島を横断しているので要塞を素通りできるところも限られてしまうので、そこを狙い撃ちされる可能性もあるため・・・。」
「あー・・・・、わかりました。要は山岳だから貫きにくいし、対空施設マシマシだから空軍もあんまし使えないってことですね。とりあえず今のところはどうするかいくつか案はありますが、決めないでおくのが吉でしょう。」
気づけば基地のゲートを通り僕たちは基地の中に居た。それから海将に基地内にはあまり似合わない普通の一戸建ての建物へ案内された。海将によれば、ここが僕の新しい家だそうだ。概観は白で洋風に仕立ててあり、内装は木などでを多く使い仕上げているため外は洋風で中は和風と言った感じだろう。それと、いざというときのための緊急の電話回線もあるそうだ。海将からこの住居についての説明を聞き終えたところで僕は一人にしてもらい備えつけてあったベッドに倒れこんで深い眠りに入る。