第三十五話 魔王
『降下開始!』
大日本帝国空軍空の挺隊の無線通信が、東海連邦のチャンネルを使用しているために、聞こえている。
「いよいよ、始まりましたね。閣下?」
青山少佐は依然、薄ら笑いは変わりないが声が興奮しているように見えた。
「ミサイル駆逐艦からのトマホーク巡航ミサイルでの支援攻撃も実施しています。この戦いを制することができれば、戦争は完全に終わります」
「まぁ、戦争が終わっても拡散した種火はどうすることもできませんがね」
少佐は何か小さく独り言を言った。
「何か言いましたか?」
「いえ、何でもありません」
彼は薄ら笑いのままそう言った。
『第一小隊、降下完了!』
『第二小隊も降下完了!指示乞う!』
『こちら空中管制機、白鳥。貴軍を我々が誘導する』
『了解!』
数十分経つと意外にも空挺団の力はすさまじく、札幌を射程圏内に納めていた。
「どうですか?ウチの空挺団は」
「すごいですね。空挺レンジャーの軍団でここまで押し切れてしまうとは」
「いやはや、言っても結局は市街地ですよ。そこなら歩兵の活躍の場面です」
『駆逐艦秋雨へ、支援攻撃を要請する!地点A12』
『こちら駆逐艦秋雨、要請地点への支援攻撃は三分後に行う。待機せよ』
『了解!』
『下がれ!下がれ!そこの敵が居るぞ!」
市街地の激戦の様子が聞こえる。
中には逃げ惑う市民の悲鳴も聞こえる。
ここまでの市街地戦は恐らく、日本国内では二月事件以来だろう。
『なんだ・・・・これ』
『第三中隊、どうした!?応答しろ!』
『こちら第三中隊、第二小隊です。魔王を見つけた。こいつぁ・・・・なんだってんだよ』
僕は流れてくる無線の様子を聞き流しながしていたが、その発言に僕は衝撃を覚えた。
魔王、Satan。そのNATOコードネーム上は、とある兵器に位置づけされている。
R-36ミサイル、大陸間弾道ミサイルだ。所謂、ICBMというヤツだ。
つまりは・・・・だ。あそこには核があるということだ。
「その周辺の安全を確保させろ!今すぐに、その部隊に連絡を付けろ!畜生!なんてもんがあるんだ」
いきなり僕が大声で安城にそう言ったために、若干安城は動揺しながらも連絡を取り始めた。
もはやこれは日本列島内での戦争じゃ終わらない。
なぜならば、ここには今現在、核が眠っているからだ。
魔王は絶対に起してはならない!
今日はちょっと時間があんまり無くて、字数が少ない更新です。
来週も頑張って更新していきますよ!