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フリーダムワールド  作者: 雪原果歩
第一章 楽しい生活の始まり編
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第十四話 セーフティメーカー

あの後、結局北原防衛大臣は次の予定があるため、そそくさと帰ってしまった。最終的には彼女は答えはわからずに終わったけれども、まぁいいんじゃないかな?総理がわかっていれば。


ま、きっと総理のことだから先に手を回して、下準備くらいはしてくれるでしょう。


話を終えると、さすがに日が落ちた頃辺りから話をしていたために、時刻は19時を回っていた。エルスは宿舎へ戻り、総理も防衛大臣と同じで次の用事があるために首相官邸へ一度戻った。


僕も一度自宅に戻ろうと思ったが、彼女との約束を果たすべく、僕は海将の元へ行く事にした。


まぁ、行くにしてもどこにいるのかはわからないけれども。

そのために、まずは周りの人に聞くことにした。


周りには仕事明けで、宿舎へ帰ろうとするオペレーターたちの姿が見えた。

彼らが帰ろうとしていたために僕は彼らを引き止めて海将がどこに居るのか聞いてみると、何やら情報総合統括室なる部屋にいるそうだ。


情報総合統括室が何か知らなかったので聞いてみると、連邦軍の情報について纏められたデータサーバーとの直通回線がつなげられているパソコンが置いてある部屋らしい。部屋自体は司令部のある建物の2階にあるそうだ。


オペレーターの人達にそれを聞くと、礼を言ってからすぐさま2階に上がった。2階に上がると各部屋の上の方に何の部屋か、板で書いてあることがわかる。


情報総合統括室は通路の一番奥の部屋だった。


用件を済ませて早く自宅に帰る為に、僕は躊躇い無く一番奥の部屋へ入っていった。


部屋の中に入ると、部屋の中央に机と椅子があり、机の上には一台のパソコンが乗っていて、それを海将が使っていた。


扉を開けたときの音で海将は銃を抜きつつ

「何者だ!?許可の無いものはここには入れないぞ。」

と警告しつつこちらを振り向いた。


入ってきたのが僕だと海将が確認すると、「閣下でしたか、驚かせないでください。」と言ってきた。何故そのような行為を取ったのかよくわからなかったので、僕は海将に質問をすることにした。


「どうしたんだい?いつもと様子が若干違うけど。」


「い、いえ、なんでもありません。以前から、ここのパソコンを使える権限を持っていたのは、私ぐらいなものでしたから・・・・。」


「なるほど、要はスパイの警戒だね。」


「その通りです。それで、閣下は何かこの部屋に御用が?」


「いや、用があるのはこの部屋じゃなくて、海将になんだけど・・・。」


「私に?どういうった用件でしょうか。」


僕は夕方のエイラの事を話した。

そして、彼女の部隊の編入手続きなどをお願いした。


話を聞くと、海将は快く引き受けてくれた。


そのために、僕は用を終えたので帰ろうとすると、ふと、パソコンの画面が目に入る。

それが、何かの設計図とレポートであることは、シロウトの僕でもわかった。


「海将、あれは何ですか?」


とパソコンの画面を指差して聞いてみると。


「閣下!・・・・これは・・・新しい兵器の設計図でして・・・・。完成したら、閣下にお見せしようとしていたものでして・・・。完成までお待ちいただけませんでしょうか?」


と若干焦ったような口調で言い、パソコンの画面を隠すように海将が前に立ちふさがり、遮った。


「今はだめなの?」


「はい、申し訳ありませんが、まだ設計段階でお見せできるような代物ではありませんので・・・・。」


まぁ、別に海将の事だし大丈夫だと思い、僕はそれ以上踏み込むことはやめた。


第一、海将が連邦にとって不利益をもたらすような行為を意図的にするならば、とっくに連邦は滅んでいてもおかしくは無い。


なぜなら、海将自体がそういう立場に居たのだから。


そんな彼を僕は信用して、帰路へ就こうとすると、海将が僕を引き止めた。


「閣下、お待ちください。」


「なんだい、海将?」


すると海将は僕に拳銃を一挺ホルスターごと渡した。


「閣下は護身用の武器をまだお持ちでなかったはずですから、これをお使いください。」


「そんな大げさな。第一、そこまで警戒することは・・・」


と言いながら、返そうとすると海将は強い口調で


「ダメです。」


と一点張りするので仕方なく受け取った。


SIG(シグ) SAUER(ザウエル) P230。銃身長は91mmで重量は500グラム。弾頭は.380ACP弾をマガジンに7発装填済みで、セーフティーを外し、薬室に弾頭を装填すれば、撃てる状態です。ズボンの下にホルスターを入れて、装備してください。」


「はいはい、わかりました。」


そう言って僕は海将に言われたとおりにホルスターと拳銃を装備し、今度こそ帰路に

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