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ワールド・アナイアレンション  作者: cier
第1章『七つの大罪』
3/4

番外編 『Nightmare』

夢をみた。

血の臭いが、硝煙の臭いが、死臭が、懐かしい臭いのする夢をみた。

何も思うことなく、何も考えることなく、ただ刀を振り下ろすだけの懐かしくて、怖くて、泣きたかった夢をみた。

選ばれたのは何故私なのか。

そんなこと、わかりきっていたのだから。






誰かが指さして言った。

「お前は何を思う」

人間は愚かだ、と私は思う。

誰かが声を荒らげて言った。

「お前に心はないのか」

いまさら知れたことを、私は刀を振り下ろす。

誰かが……、誰か?

目の前にいるのはトモダチ、友達……?

「君は優しい」

月の下で君は言った。

「やっぱり君は強いなぁ!」

戦友は背中ごしに言った。

「僕のために泣かないで」

冷たくなった親友は血のついた手で。






恋をしていたわけではない。

ただ、救われたのだ。

私の目の前にいきなり現れた親友は、私を救い、いきなり消えた。

親友は、言った。

「君を救いたい」

私は救われてしまったのだ。

あんな奴に救われて、全く不満だけど。

不満だけれども、私は初めてだったのだ。

初めての友達だったのだ。

友達だったのに。

私はあれから独りぼっちになった。

仲間に囲まれたけれど、独りぼっちになってしまった。








悪夢をみた。

いつもみる悪夢は、あいつによって殺された友達をただ見ることしかできない自分だ。

私は、自分が許せない。

ただ泣くことしか出来なかった自分が許せない。

そして、そんな友達は自分のせいで、自分のある理由のせいで死んだのだ。

きっと恨んで死んだだろう。

そんな親友は最後に呪いを残して死んだ。




あの5年前の現実は、私の悪夢となって焼きついた。


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