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五話

ものすごくスローペースですね。

まあ、頑張ります。

大谷家は田んぼに囲まれた木造平屋のお屋敷だった。初めてこんなお屋敷を見て思わず唖然としてしまった。庭の何処かでカコーンと竹が石を打つ音がきこえた。飛び石を渡り池にかかった石橋を渡ると渡り廊下に出た。

そこには、灰色の猫を撫でながら純和風のこの家に似合わないジェリービーンズを食べている大学生位のお姉さんが座っていた。



「よお、来たか。」


その人は、こっちに気がつくとニッと笑って手を振った。



「お邪魔します。菊さん、ちょっとルー君かしてもらっていいですか?」


「いいよ。何するの?」


菊さんは膝に乗った灰色の猫を桜の前に下ろした。


「ほら、ミト。この子がルー君だよ。」


桜が腰をかがめ私の入っているバッグを猫に近づけた。


・・・。



・・・。



ーーええっと、挨拶しろってことだよね?


「わう、わうん。(始めまして、ミトです。)」


「にー(ルーだ。)」


「・・・。」


「・・・。(ジーー)」


うえぇ、この沈黙どうすれば。後さっきからルー君がこっちをガン見してくる。

どうすればいいのー!


「に(なあ、おま「じゃあとりあえず上がれ。」・・・。」


ルーが何かを言おうとしたところに菊さんの声が重なり、ルーは不機嫌そうに黙り込んでしまった。

縁側に乗せてもらうと桜達は畳の部屋に入っていった。

ルーと二人きりに残されて気まずかったのでみんなを追いかける。



「姉貴なに食べてるんだ?」

「ん?ジェリービーンズだよ?食べる?」


入るとちょうどそんな会話をしながら菊さんが桜と夕波に一粒ずつ渡しているところだった。


そのジェリービーンズから変な匂いがするのは気のせいかな?


「「$÷々○☆$>3÷|÷〒**!!?」」


それを食べた桜と夕波は言葉にならない驚きの声を上げて部屋を出ていってしまった。

ちなみに菊さんは大爆笑している。


「あっはっはっは!!本当あの二人面白いね!」


それを見てルーがため息を着いた。


「にゃーににゃー。に(あのアホはほっといてミトに聞きたい。おま)「わぁーミトってフワッフワなんだねー!ちょっとだかせてー!」・・・。」


またもや菊さんに邪魔されてルーはむすっとした。


「キャウン(わっ、ち、ちょっと!)」


目にも止まらぬ速さで抱き上げられスリスリされた。


「わぁ、毛玉だ!フワフワだ!モフモフだぁ!!」


ルーはまだぶすっとしていて助けてくれそうに無い。


その時ドタバタした足音が聞こえてきた。






「姉貴!何食わせた!!」


夕波がまだ口の中を気にしながら怒鳴った。


「えー?百味ビー○ズだよ?ちなみに桜がミミズ味でお前がゲロ味。」


「うえ、道理で土と落ち葉を水で混ぜ合わせたような味がする訳だ。」



苦い顔をした桜に助けを求めた。


「キューンキューン(桜、助けて!)」


桜が菊さんに抱きしめられてる私を見た。



「え?あ、うーん、えーっと。」


ニコッ


「グットラック、ミト!」


えぇええ!助けてよ!


「ここの家は大の犬猫好きだからね」






「あ、ねえ。桜!今日は用事があって来たの?」


「いや?ルーに紹介するだけだよ?」


「じゃあさ、ちょっと二人に仕事お願いしていい?」


「仕事?」


「うんちょっと。」


菊さんがこいこいと手を振って全員で円を書くように座った。


「仕事って払い屋の?」


ーー払い屋?


「そうそう。珍しく二件かぶっちゃってさ。片方頼みたいんだけど。」


「何すればいいの?」


夕波が目を輝かせて身を乗り出したずねた。


「あの、ほら、川中ビジネスホテルってわかる?一時期有名だったんだけど。」


「・・・?聞いたことない。」


軽く首を傾げて考えてから桜がこたえた。


「ああ、あの呪いの?」


どうやら夕波には思い当たることがあったようだ。


「え、呪い?」


「そう、「呪いの605号室」って一時期"払い屋の"間で有名になったんだ。」


「おーよく覚えてたね。今回の依頼もその605号室でさ、ホテルは去年閉まっちゃったんだけど、取り壊すのに何かあったら怖いから一様払っておいてくれだって。」


「てことは念のためってこと?」


「後、ホテルが私に依頼をしたのを知って被害者の遺族の方から仇を打って欲しい、的な要望があったよ。」


「え?被害者がいたの?」


菊さんは顔をしかめながらうなづいた。


「そう。5人だよ。」


「何があったんですか?」


「そこまでは知らないや。あとは調べて。調査の日は今度の土曜日だから。」


そういって菊さんは話を終わらせた。



☆☆☆☆☆☆☆



午後11時。


家に帰って来た。ちなみに夜ご飯は夕波の家でごちそうになって来た。


「土曜日・・・か、どうしようミト連れて行くかな?」


自分の布団の枕元に眠るミトを撫でた。


「・・・今後のためにも連れて行くかな?僕がミトを守ればいいしね。」









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