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二話

始めまして、ナツツバキです(^o^)/。

のーんびり投稿して行きます。

「なあ、やれるって本当に?」

私が捨てられていたのは公園でいまは朝の7時で三人(二人と一匹)で歩いている。


「ああ、きっとこいつにも見えるんじゃ無いか?こんなに魂が強いんだから。夕波もわかるだろ?」

夕波は呆れたように首を振った。


「簡単に言うなよぉ、そんな芸当が出来るのはお前だけだ。ちなみに・・そいつにも見える根拠は?」

「じゃあ聞いてみるか。ミト、僕の後ろになんか見える?」


持っていた傘を顎と肩の間に挟んで桜が私の脇の下に手を入れて持ち上げる。もちろん下半身はブラーんとして・・・。




「あ、雌だ。」

「・・・。」

桜のデリカシーのない一言に夕波が黙り込んだ。


私はがっくりとして・・固まった。


桜の持っているビニール傘の向こう。

ぶら下がる半透明の薄汚れた裸足の足。

空中を歩くように足を動かしているほっそりとした女の人の足。


ーーヒャン!


情けない声をあげたけど私は悪くない。


・・・悪くない!・・はず。




空中の足がピタリと止まった。


その足がゆっくりとこちらを向く。

「あ、やばっ。逃げるぞ夕波!」


桜が私をだいたまま走り出した。


「はぁ?ちょ!?」


驚いた声を上げながら

夕波も慌てて走り出した。


ヒッタ、ヒッタ、ヒッタ


ーー!!!追いかけてくる!


ちらほらと傘をさして散歩をしている人がいる以外ほぼ無人の早朝の公園を二人の青年が

駆け抜ける。


「夕波!出口はどっちかわかるか!」

「知るか!!お前がフラフラここまで来たんだろうが!なんでお前が出口を知らない!!」



「僕の方向音痴を舐めないで欲しいね!出口なんてとおの昔に忘れた!」

「だめじゃん!!」

ーーワン!


最後のには思わず私も突っ込んだ。

だから二人が地図の横を走る時大体の出口までの道と現在地を頭に叩き込んだ。


ーーワン!!


分かれ道に出たとき迷わず右の道を指した。


「え?こっち?」

桜と夕波が右の道に入る。

後ろを振り返ると・・・足は桜と夕波に遅れることなく着いてくる。


きっと幽霊って奴だよね。さっきから見えるとか言ってたのはこれの事か。

今度の人生(犬生か・・・)は幽霊が見えるらしい。

・・・やだな。私幽霊とか嫌いなんだよなあ。


「・はぁはぁ・・!!出口だ!」


公園の出口に向かって、

二人が全力疾走して・・・




桜と私だけ出られなかった。




桜の私を抱く手が強張った。

「!!?・・桜!!」

桜が恐る恐る振り返る。

桜の左肩、そこに女の人の手が乗せられていた。別に力を入れている様子はない。

桜が暴れようとしているのがわかる。それでも私を抱える腕は動かなかった。



「桜!いいか、動くなよ!臨、兵、闘、者、皆、陣、列、在、前!」

夕波が構え、桜の左肩に向けて指を動かした。

言い終わると同時に桜を公園から引っ張り出す。

「・・・はあぁ、夕波、ありがとう。」

詰めていた息を大きく吐き出して桜がお礼を言った。

私は幽霊を凝視していた。足は出口らへんで右往左往している。

「どういたしまして。・・・えーっとなんだっけ。そう、ミトそいつは公園からは出て来れない、安心しろ。」


そう言って頭を撫でられる。

ーークゥー

目を細めて気持ち良さそうにした。


桜はそれを見て苦笑しながら、ずり落ちた"学生カバン"をしょいあげて・・・




「ああっ!!!学校!!」


桜の声に夕波もあっ!というような顔をして走り出した。






朝っぱらからよく走るね。二人とも。


ミト「ねえ、なんで公園に取り付いてたの?って言うかなんで浮いてたの?」


公園の足幽霊「あそこで自殺したからに決まってるでしょ。」


ミト「あ・・・そう・・・・・これってどう反応すればいいの?」


公園の足幽霊「知らないわよ。聞いたのはあなたでしょ」


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