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(仮)王様と王妃様  作者: ちしゃ
愚王陛下の物語
8/38

閑話 側近の日記

視点を変えて側近その1の日記っぽく書いてみました。


〇月△日


やられた。

ついに、悪徳公爵の娘を王妃に迎えることになってしまった。


『側室に迎えた者が気に食わないなら、わが娘を王妃として差し出しましょう』


などと、良く言えたものだ。


挙句、


『娘が王妃となるのですから王の義父(ちち)として、協力は惜しみませんよ』


だと!


『お前が一番の問題だろうが!!』


と、その場で叫ばなかった自分を褒めたい。


そしてジュリアス陛下、あなたは何呑気に乗り気になってんですか?!


あ~、もう、公爵の筋書通りなのが腹立つ。


大体ジュリアス陛下も、前国王陛下も人が良いといえば聞こえは良かったが押しが弱くて王としてはイマイチでなぁ。


たっく、あの陛下に至っては、小さい頃から勉強はできる癖にそれを知恵として使えないいわゆるお馬鹿さんだったし、うちの父上も、『周りの側近がしっかりしていれば暗愚あんぐな王でも、国はなんとかなる』って、言って殿下の『若干(?)思い込みは激しいが、人の意見を聞き入れるとことは素直でよし』とか言ってたっけ。


でも、それってツヴァイ公爵みたいな人がいない事前提だよな。。。。


ゆるい王様が2代続いたせいでツヴァイ公爵の増長を招いたんだろうな。


今、この国の王族は少ない。


直系なんて現国王しかいないし、ジュリアスがいなくなれば血統的にツヴァイ公爵がこの国の王になるんだと思う。


ツヴァイ公爵家は、建国初期の王の弟を祖として、その後何度も王家の血を入れてきた血統は王族に次ぐ貴族だし。


さっさと、現王を殺して自分が王位に立たないだけましなのか?

自分が手を下すまでもなく、その手に王位が入ると思っているからなのか?

まあ、後者だよな。


うん、俺でも同じ状況なら手を下さず待つわ。


娘がいたら嫁がせて乗っ取りも考えるな。


しかし、何で公爵は、姉ではなく妹押しだったんだ?


公爵の娘ならどちらも悪女で間違いないだろうに・・・・





△◆月◆◇日


久しぶりに日記を書く。


本日王妃になるツヴァイ公爵家のサフィーリア姫にあった。


・・・・何というか拍子抜けした。


誰だ、あの人を絶対悪女だって言ったの・・・あ。俺だ。



王の側近としてご挨拶をしたら、普通に挨拶をされた。


正直それだけでも拍子抜けである。


次いで、


『早速、王様をご不快にしてしまったようで、申し訳ありません。』


と、謝られてしまった。


聞くと、あの陛下ばかが、『お前なんか嫌いだ!』宣言をしていったらしい。


あいつは阿保あほか?


ここまで来て、ツヴァイ公爵家怒らせてどうするんだ。

ていうか、ジュリアス君はこの結婚乗り気じゃなかったんだ?


俺、ツヴァイ公爵家の後ろ盾が欲しいのかと思ってたよ。


現在唯一の王族であるから、下手したらそれを理由に王位を廃されるって考えは奴には無いのだろう。


ご令嬢の方は、身分が下の者は人間じゃないって考えるご令嬢じゃなかったの?って感じで・・・いい意味で裏切られた?


まあ、今日は初日なので、特大の猫をかぶっていた可能性がある。


今後、要観察である。




△◆月◇◇日


昨日は国王の結婚式があった。


・・・・・うん。


盛大に豪華で、これでもかって位お金のかかった式だった。


そして、今日、姫の寝室の前で侍女がうろたえていた。


・・・・・・・・・嫌な予感がよぎる。


『あの陛下ばか』って叫んじゃったヨ。


・・・・でも、周りがワサワサしていたから気付かれなかったらしい。


女性の寝室に入るのははばかられたが、緊急事態ということで勘弁願いたい。


寝室に入るとわずかに生臭い血の匂いと、寝乱れた様子のベットの様子がうかがえた。


それ以上入ることはせず、そばにいた侍女に姫の身体の清拭と、寝間着を着せることを支持。


侍医の方を呼びに城の中を走った。


もっとも命に別状は無いとの事だが、精神的にはどうだろうか?


あの陛下ばかにどう説教するべきか悩む。


明日、カイン達に相談しよう。




△◆月△▲日


陛下ばかに説教した。


ふて腐れていた。


俺は疲れた。




お読みいただきありがとうございます。

評価・感想ありがとうございます。大変励みになります。


誤字脱字ありましたらお知らせいただけるとありがたいです。


5/10 誤字訂正いたしました。

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