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(仮)王様と王妃様  作者: ちしゃ
王妃様の物語
37/38

#9#


発熱・倦怠感などの症状は4日程で無くなりました。


体調が回復すると、陛下の側近だという・・・・

あら?誰でしたかしら?


えーと。そうね。

・・・側近の方がお見舞いに来てくださいました。


何か希望がないか聞かれましたので、私『お城の外を見てみたい』とお願い致しました。


これまで公爵邸じっかの外へ出る事の出来ない生活を送って居ましたので、屋敷の外の世界というものを見て見たかったのです。


側近の方は、警備が・・・予定が・・・と、おっしゃっていましたが、『馬車の中からでも』とお願い致しました。



最終的に3日後馬車から街を見ることが出来ることになりました。





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


いよいよ、お出かけという前日は、私中々寝付けませんでした。


そうしましたら、侍女をしてくれていますソフィアが温かくて甘いミルクを持って来て下さりました。


ミルクを頂いて、ほっこりしていると、柔らかな睡魔が訪れます。


ベットに入り目を閉じて、開けたらもう朝になっていてとても驚きました。


とてもよく眠れたのでしょう体がとても軽かったです。



美味しい朝ごはんを頂いて、私は出かけました。




王城から出た馬車はゆっくりと街中を回って下さりました。



香ばしい匂いがするのがパン屋、図鑑でみた様々なお野菜が並ぶ八百屋、赤や白黒い粒粒が籠に入って売られている香辛料店。


お魚を扱うという魚屋さんに、店の奥に何やら塊が並んでいたお肉屋さん。


ステラが言うにはそこは市場という場所だとのこと。


市場から離れると、小さなころタリアと一緒に見た絵本に書いてあったような小さなお家の並ぶ区域。


教会の建物や、他の貴族たちの家の並ぶ区域などを馬車の中から見て回りました。


ステラたちは見えないように気を使ってくださいましたが、中には、道にうずくまっている、寝転んでいるなども見かけました。


喉が渇いたため馬車が止まった時に見えた路地は、ごちゃごちゃしていていました。


馬車が止まったのは教会の近くで、そこには小さな孤児院があったのです。

馬車の外に出ることは敵いませんでしたが、そこも子供たちがボロボロの格好で、こちらを伺っていたのが印象的でした。


初めて見た景色に自分の世界の小ささを実感して帰路についたのです。


初めての外出は、私に多くの物を教えてくれました。


やはり本だけ、文字だけでは分からないことが多いです。


外出を手配してくださった、側近さんに夕食の席でお父様とお兄様の会話によく出てきた人身売買の取引日時と場所をお礼としてお教えしました。


私の覚えている当月の取引場所は、確か今日連れて行っていただいた市場の傍でしたし、一気に捕まえるのは無理でも、組織を無くすことへの手がかりにはなりますでしょう。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


馬車から街を見て回ってから、ことのほかあの孤児院の子供たちの様子や、道端でうずくまっていた人達の様子が頭から離れません。


前回の外出の準備をして下さった側近のジェ-ムズさんにまた外出したい旨を伝えました。



そしてあれから、何故か国王陛下が、毎日のように私の部屋に訪れる日々が続いております。



部屋に訪れても、何を話すでもなく、ただ、義務の様に私を抱かれて帰られます。



最初は何が何やら分からないまま、ただ肉体的に痛めつけられて、終わるのをじっと待っています。


・・・・なぜ国王陛下が笑いながら私を抱くのかを考えて時間をやり過ごします。



毒を入れたスープですと、入っていた毒により身体への影響が数日続くことが多かったので、それに比べれば・・・・


行為に少し慣れて痛みも最初の頃程ではなくなってきましたので、少しの間我慢していれば終わるこの暴力は私にとっては楽な責苦でした。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



そろそろ陛下に嫁いで3ヵ月ほどたったのでしょうか?



既に陛下に嫁いでらした側室の方達から様々で、迷惑なプレゼントを頂くようになってきました。



お父様から、後宮内の側室はほぼお父様の派閥の貴族の姫君たちだから大したことは出来ないだろうと伺っていましたので、それ程警戒はしておりませんでしたが。



こんなにたくさんありますと流石に迷惑です。

お読みいただきありがとうございました。

誤字・脱字など有りましたら、教えていただけると助かります。

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