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(仮)王様と王妃様  作者: ちしゃ
王妃様の物語
32/38

#4#


お父様の、お母様の、お兄様の、家族の意見に追従できない私。


私の周りには当然の様に監視が付き、気を抜けば害されそうな空気の中。


私は常に家族の気配を察し、部屋の外にも最小限にしか出なくなり、表情も表に出さなくなっていきました。


社交界デビューする年頃には表情の無い無機質なお人形の様になっていました。




この家の娘であることは変わらない事実であるので、日々最低限の世話はされます。


この家に私しか娘がいなければもっと違ったのかもしれませんが、この家にはまだアナスタシア、妹がいるのです。


私に固執する必要はありません。




使用人たちの話から、アナスタシアはお母様そっくりといっても過言ではない程に育ったようでした。


私が家族と一緒に過ごすのは、食事の時だけでその頻度も最近は少なくなりつつありました。



食事の時の会話は苦痛な物でした。


「ああ、ゼヒツィヒ家の令嬢を買い取って借金の援助をしてやった」


「あら、お優しいこと。

その令嬢はどのように遊ぶつもりですの?」


「父上、母上、孤児院から数人見繕って売ってもいいですか?

例の伯爵が新しいのが欲しいって言うのです。」


「伯爵もしょうがないな。まあ、いいぞ。

そろそろ、子供の数も少なくなってきたし、他の孤児院も買い取るか?

安く買えて、高く売れるいい商品だしな。」


「お父様、私新しい宝石が欲しいわ。

この間作っていただいたドレスに合う良い物が無くて・・・」


「あら、素敵ね。あなた、私にも買ってくださる?

今度の夜会で可愛い愛娘とお揃いしてみたいわ」


にこやかに交わされる会話。

・・・・会話に含まれる禍々しい現実。



更に、私の食事に思い出したように盛られる毒物。


私に毒を盛るのは大抵新人の侍女でした。


カタカタ震えながら青い顔をして毒入りのスープをサーブする。


私が、これを食べなければ彼女が害されるのは分かりすぎるほどに分かっていたので口を付けます。


口を付け、1口2口と、食べる私を嫌な笑顔を浮かべて見つめるカゾク。


大抵3口目を含む前に緊張からか、意識が遠くなります。


遠くで、お父様達が上機嫌に笑いあう声を聴きながら意識が無くなるのを待ち、『このまま死んでしまえれば楽かしら?』と一瞬希望がよぎります。


でも、結局長くても3日程で現実じごくがやってくるのです。



お父様達は、私がお父様達の娯楽を満たせるおもちゃである内は殺しはしないのかもしれません。


お読みいただきありがとうございました。

誤字・脱字など有りましたら教えていただけると助かります。

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