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(仮)王様と王妃様  作者: ちしゃ
王妃様の物語
30/38

#2#

王妃様過去編、シリアス注意。

残酷な描写が有ります。苦手な方はご注意ください。

私は、その後幼いながらに家族の残酷な行動に、残虐な精神にさらされ、家族の魔の手がその対象に届く前に、タリアと一緒にその者を逃がす努力をするようになりました。



そして、些細なきっかけから、お父様達にうとまれるようになると、常にこちらを窺うような疑問視しているような視線を感じるようになったのです。




家族内に入り込んだ異質物を見るような奇妙な物を見る視線。


常に行動を監視され、外出を制限される日々。




私の乳母を務めてくれたタリアは、私が10歳の年にお父様に私の目の前で、責め殺されました。


私に対する見せしめの意味もあったのでしょう。


泣き叫び暴れる私を、押さえつける大人達の目には気持ちの悪い笑みが浮かんでいました。


タリアが殺された原因は、私が考えなしにお父様達に向かって、言った懇願。


「お父様、お願いでございます。

些細な失敗でそのような残酷な事をし無いようお止めください。」


私はただ、メイドがアナスタシアにお茶を入れた時に、跳ねた水滴がアナスタシアのドレスにかかったからと、その手にヤキゴテを当てようとするのを止めたかっただけなのに。


家族はそれが気に食わなかったらしい。


私の一言で、青く染まるタリアの顔が忘れられない出来事でした。


それまでも何度かお母様やお兄様に言ってはいたのですが聞き入れられたことは有りませんでした。


この時は、お父様いらしたので、『お願いを聞いていただけるかしら』と軽い気持ちで思っただけの幼い行動だったはずなのですが・・・・



私がそのように親に歯向かうのは、乳母が私の教育をしっかりしていないせいだと、タリアが咎を受けてしまったのです。





それから、タリアと引き離され2日間、自分の部屋から1歩も出ることは許されませんでした。


泣きすぎて疲れ果て眠りに落ちて、3日目の昼頃、屈強な使用人に連れられてサロンに入るとそこにはすでにボロボロなタリアの姿がありました。


駆け寄ろうとしても、使用人達に阻まれ、叶いませんでした。


はだけられ、切り裂かれた服、縛られた腕からも血を流し、髪は解れ更に長さがバラバラにされ、黒く変色しつつある顔には殴られた跡と涙の跡。


そんなタリアに更にお父様が、お兄様が暴行を加えます。


お父様たちの後には更に大きな男たちが・・・


辛うじてタリアだと分かった顔はあっという間に誰だかわからないものモノへと変えられていきました。


死を懇願するタリア。


父がこちらを見てにやりと笑い、男達に指示を出す。


次の瞬間、胸から刃物を生やしたタリアの口にかすかな微笑みが浮かんで消えました。


お読みいただきありがとうございました。

誤字・脱字など有りましたら教えていただけると助かります。

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