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(仮)王様と王妃様  作者: ちしゃ
愚王陛下の物語
28/38

閑話 蛇足

お待たせいたしました。

本日、私の即位が議会によって決定された。


併せて、国王陛下たる父と母上との離縁が正式に決まった。

離縁後は、陛下と母上は別々の離宮へと移られる事となった。




私の名前はユリウス・フォン・アインツ。


国の至宝とうたわれるアルティナ姫の兄であり、この国のただ一人の王子で今現在は国王陛下見習いである。



私の母上は、2年間に及ぶ内乱の末期すえに大きな傷を負い、生死の境をさまよった。


母の実家であり悪名高かった、ツヴァイ公爵家は内乱を起こした罪をもって母以外の者達が処刑された。



母上は、私を産んだ功績・それまで国の為に尽くしたことをもって助命され、私の即位をもって、恩赦とし、離宮で過ごされることが決まっている。


本来だったらもっと早くに離縁する予定だったものを陛下が強硬に反対した結果らしい。


ジェファーソンが忌々しげに早く別れろって詰め寄って言っていたな。



その陛下も、私の即位後は安寧な国に内乱を招いた責任とやらで、母上とは別の離宮にての蟄居が決まっている。


過去にルイザ様という陛下の寵姫だった方が収容された修道院の近くとの事だ。




陛下は、母上と離縁する必要はないとずっと主張していたが聞き入れられなかった。


「王妃様本人は素晴らしい方ですが、内乱を起こした反逆者の娘というのも事実なのです。

これをそのままにすることはできません。

過去にさかのぼり、アルティナ姫を産んだ時点より、王妃様の存在は亡き者として扱います。

本来でしたら、離宮ではなくルイザ様同様修道院預かりなのですが・・・・」


副宰相に言われてやっと納得したのか俯いていた。


その他にも、何やら言われていたようだ。



後日、王にそう話をしていた副宰相を務めているジェームズが私の元へ来た際に世間話に言っていた。



「今まで、散々サフィーリア様を虐げていたのに、本当にサフィーリア様に好かれていると思っているんですかね陛下は?」



「母上は、陛下(ちちうえ?)の事を今は何とも思っていないと思いますが。」



「ああ、ちなみに陛下に言った事の半分は本当ですよ。


後は、もうサフィーリア様を陛下に付き合わせるのがお気の毒でしたので、もっともらしく聞こえる理由付けですね。


臣下一同、王妃陛下を“反逆者の娘”だなどと思っては居りませんが・・・・


王妃様の参られる離宮ですが、ここからすぐのとこですから、ユーリ殿下もティナ殿下も直ぐに会いに行けますから、ご安心ください。


まあ、陛下の参られる離宮は遠いのですが、あの方は離宮=遠いところと認識されているようですし・・・」


クスクスと黒く笑いながら話すジェームズは非常に楽しそうであって怖かった。




母上は子供の私から見ても綺麗な方だ。


そして、私に対して、甘やかすだけでなく、褒め、叱り、様々な事を教えてくれた愛情深い人でも有る。


陛下に対して笑いかける事は少ないが、私とティナと話をするときはいつも柔らかな微笑みを乗せている。



母上行った事業に関してお聞きしたいというとあいまいに笑われて、あまり話してはくださらない。



逆に母付の侍女たちは誇らしげに母上の様々な話を聞かせてくれた。


孤児達を憐れみ、孤児にただ施しをするのではなく、簡単な読み書きができるように、簡単な計算ができるように、教え教育する環境を作るために苦労した話。


水害の多い地区に対し、水をためたり流したりできる設備を整えそのおかげでその地区の水害が減った話。


その際に王妃様の予算では金銭が足りず、現在の整備・管理会社組織を作り費用の工面をした話。



侍女たちの話では、毎年王妃の経費用の予算はそういったことに消えていたとの事だ。


それでいて、国の意義を損なわない程度にご自分の身の周りも整えていたというのだ。


わが母上ながらすごいと思う。



そんな母上は国中の人々に愛され、母上が瀕死の傷を負ったときには、国中の人が悲しんだというのだから相当な物だろう。



陛下は、内乱以降、離縁を拒否し新たな側妃を迎えることもなく今日まで来たが、それが『こんなダメ男でもできるせめてもの償い』なのだそうだ。


ただ、誰に対する償いなのかイマイチ判らない。


寵愛していたというルイザ側妃様への贖罪なのだろうか?


母上に対する贖罪っぽいことを言ってもいるが意味が分からない。



内乱当時、ただの駄目男だった陛下にそれでも母上が、病床で微笑みながら『大好きよ』と言ったらしい。


だからせめて、『自分のさいあいは、サフィーリア、君だけだよ』と言いたいと言っていた。


陛下はその場に私とティナが居たというが、母上は本当に陛下に「好きだ」などと言ったのだろうか?


・・・・私には、覚えがない。




現状を見るに母上は陛下に対しそのような事を言わなそうなのだが。


ご寵姫だったという、ルイザ様が言った事と混同しているのではないだろうか?



まあ、陛下本人そう言うのでまあ良いかと思っている。



陛下は良く、私の顔を見るとにこやかに告げてくる。


「ユリウスと話しているとサフィーリアと話している気分になる。


ユリウスがサフィーリアに似ていて綺麗になってきて嬉しい」


・・・・・陛下それは、娘への褒め方ではないかとオモイマス。




私はどうせなら、ジェファーソンみたいな男らしい顔か、もう少し位男らしい顔立ちがよかったなぁ。



まあ陛下自身は、母上の元へあまり行けず、顔を合わせて話が出来ないからかもしれないが。。。



侍女や侍従の者を含め皆が皆、陛下が母上に近づくのを嫌う為結構な頻度、いや、ほぼ確実に陛下が母上の元へ行こうとすると、「執務が」「奏上が」「ご機嫌伺いが」「陛下に確認したいことが・・・」などと足止め(?)いや、妨害(?)が入るからな。


陛下はそれに対して、ワザとだとは思っていないようだが、あれほどあからさまなのに気付かない物なのかと感心してしまう。



そして私自身は、決して母上似の顔が嫌なわけではないからそこは間違えないでほしいが、綺麗よりカッコイイって言われたいお年頃なんだけどな・・・同じ男として分かっていただけない物なのだろうか?




私の即位が決まり、小さなころから面倒を見てくれたジェームズをはじめとした臣下の者達は実にすがすがしい顔をしている。


・・・・よっぽど嬉しいんだなと思わなくもないが、もう少し隠した方が良いのではないかと心配になってしまう。


まあ、城をだけではなく街自体『新王即位決定』での期待からあか明るい空気を纏っているのは良いことではあると思う。

お読みいただきありがとうございました。

誤字・脱字など有りましたら教えていただけると助かります。


以上で王様編は完結です。

体調不良&仕事に忙殺されて更新が遅くなりましたこと申し訳ありませんでした。

今後は王妃様サイドのお話に移行しようと思います。

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