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(仮)王様と王妃様  作者: ちしゃ
愚王陛下の物語
26/38

*19*


国が落ち着いてくると重臣達は私に離縁を薦めてくるようになった。


サフィーリアは賢妃では有るが、逆賊の娘でも有るので離縁を考えてはいかがか、というのだ。



その上、内乱を招いた責任を取って私も退位するべきではないかと言われた。



退位に関してはカイン達側近がまだ、早すぎると庇ってくれた事が嬉しかった。




その時は、気が付かなかったが後になって、次代を担う王族が、サフィーリアの産んだユリウスが、成人を迎えていなかったせいだったのだろうと思い至る。


私の為ではない提案だったのかと自嘲の笑みが浮かんだ。



実際のユリウスは幼さが残るものの文武に秀でた十二分に優秀な継嗣であり、アルティナも充分に優秀な娘なのだ、子供達の世代はもっと、国は安定するのだろう。



退位が駄目ならば、国の安定の為に、隣国の姫君との婚姻をと薦めてくる者もいた。



私自身は、サフィーリアとの関係を修復することを諦めてはいなかったので、次をもらうつもりは更々ないと突っぱねた。


大臣たちもこれに関してはあまり強く言いはしなかった。


まあ、現状がそこまで必要ではなかったという事が大きい・・・




サフィーリアの1人も守ってやれなかった私にはどうしても今後新たな婚姻に踏み切れないだろう。



会議で私の離縁が議題に上る度に、「私の王妃は、サフィーリア一人で十分だ」と言っている。



その度に、何を今更言っているのかという空気が流れる。



私は、ただ、これまで大事にすることが出来なかった彼女を大事にしたいと思っているだけなのだが。



子供達との関係も、ギクシャクしたものが続いている。


側近達の方が私よりよっぽど良好な関係を結んでいる。



・・・・うらやましい。


正直いつの間にと、思わなくもない。


あまり話す機会がなく、話していても、“父上”“お父様”とはあまり呼んではもらえない。



“陛下”と呼びかけられることが多く、どこかよそよそしい空気がある。


なので、最近は『父上と呼んで欲しい』と言ってみた。


ジェームズたちに何故か残念な顔をされた。


お読みいただきありがとうございました。

誤字・脱字など有りましたら教えていただけると助かります。

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