*17*
陛下絶賛後悔中!!
根暗陛下降臨!うざっ!!な回です。ご注意ください。
自分の妻の為のミサが行われるにも関わらず、ついていけない自分がいる。
彼女が私に向けてささやいてくれた『大好きよ』の一言がずっと脳内にリフレインしている。
「結婚しても、お前を愛すことは無い。」なんて言わなければ、
いや、悪徳公爵の娘だからと決めつけなければ、もっと違っただろうか?
しかし、あの時はサフィーリアが善良な女性だとは欠片も思っていなかったのだ。
いや、しかし片鱗はあったかもしれない。
王妃と結婚してしばらくした頃、王妃とて側妃から嫌がらせを受けていると報告があった。
サフィーリアが善良でなければ彼女たちはその場で処分されていただろう。
王妃は、こんな自分でも好きになってくれていた。
愛すことはないと言い放った最低な男、彼女自身を顧みることのなかった最悪な男だというのに。。。
思い返しても、サフィーリアに優しい言葉をかけたことも、優しく接したこともない。
ははっ、夫として、こんな最低な男も珍しいだろうと自分でも思う。
サフィーリアは何を思って私など『好き』になれたのだろう?
もっと早く、サフィーリアと良く話さなかったのかが悔やまれる。
命の危機は脱したとはいえ、今だに眠っている時間の長い彼女の傍で考える。
目覚めたら、何と声をかればいいのだろうか、と。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
王妃の為のミサが執り行われる中、触れも出さないのに国の者達はそれぞれが王妃
の為の祈りを捧げている。
・・・・・私は一人、ミサの場にもまだ、行くことができず王城の執務室にいる。
一人でいると同じところに思考が戻る。
サフィーリアは私などの妻になって少しでも幸せたっだのだろうか?と。
私がサフィーリアに与えてやれたのは、王妃の地位とユリウス・アルティナだけだろう。
いや、彼女にとって王妃の座はいらないものだったのかもしれない。
実際に私たちが一緒に過ごした時間は笑ってしまうほど少ない。
私がサフィーリアだったなら、こんな夫はまず好きになる事は無いだろう。
今、話がしたいと痛烈に思った。
もし、私が早い段階でサフィーリアと向き合っていたら
もし、わたしがもっとサフィーリアの事を見ていたら
こふうにはならず幸せな結末が待っていたのだろうか・・・
お読みいただきありがとうございました。
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