表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(仮)王様と王妃様  作者: ちしゃ
愚王陛下の物語
22/38

*16*

ははははは・・・


・・・・・彼女サフィーリアは生きている。


何故か笑いが込み上げてくるのに、涙が止まらない。



彼女サフィーリアは悪徳公爵の娘だからと。


表情がないからと、勝手に人形と称し下げずんでいたサフィーリアは、きちんと見れば実に優秀な王妃だった。




私はなぜ気づきもしなかったのか?



なぜ彼女に、サフィーリアにきちんと向き合おうとし無かった?





・・・・悔やまれてならない。



・・・・・・・生きててくれたことが嬉しいのか、残念なのか。





彼女が傷を負った事を、生死の境にいる事を知った侍女たちは悲しみ、王である私を遠慮なくなじってくれた。




なじられ、責められることが、これ程嬉しいと思ったのは初めてだった。



「なぜ、あんなにも穏やかな王妃様を蔑ろになさったのですか?」


「王が、ご寵姫ルイザ様を迎えられた際も、耐えられ寵姫を害することのなかった王妃様に対する仕打ちはいったいなぜなのですか?」


悪徳ツヴァイ公爵家出身というだけでなじられ、王妃様のなされていたことを見ることもなかったあなたは、王妃様の一体何を見ていたのですか?」


「なぜ、王妃様がこんな事にならなければいけなかったのですか?」


・・・・・詰め寄られ、なじられた。



侍女たちにとって、サフィーリアが、良い主人であるのであろうことがうかがえた。





◆◆◆◆◆◆◆◆◆




そして、内乱は終結し、王妃殺害未遂の罪をもって公爵一派は一掃され、国は平和を取り戻した。





私は、結局何もしていない。


嫌、何もしなかったのだろうか?




跡継ぎを産んで育ててくれたサフィーリアに感謝することも


国民の豊かな生活の為に苦心してくれたことへの感謝も


私が放り出していた義務をこなしてくれていた感謝も・・・・





彼女サフィーリアは一命を取り留めたとはいえ、その傷は深く回復にはかなりの時間を要することが、分かっていた。


内乱を終え、亡くなった者達の弔いが済むと、ケガの為病床にある王妃サフィーリアの早期回復を祈るミサが盛大に行われた。


ミサには国中から人々が集まってきた。


国を愛し、国民の為に尽くした王妃は人々に愛されているのだやっと、理解した。




お読みいただきありがとうございました。

誤字・脱字など有りましたら教えていただけると助かります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ