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(仮)王様と王妃様  作者: ちしゃ
愚王陛下の物語
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閑話 側近の日記 ②

側近の日記、長いので2つに分けました。

△月☆日


王妃様はあの後、熱を出してしばらく寝台を離れることはかなわなかった。


侍医及び侍女頭の報告では、結婚式終了以降の記憶があいまいだが、身体の方は順調に回復しているとの事だった。


王妃様が寝込んでいる期間は、陛下ばかには、多大な課題という名の仕事を押し付けておいた。


何をするかわからない馬鹿って本当に厄介だと思う。


回復された王妃様は、『街を見てみたい』といった。


警備の都合もありますので直ぐには無理だと伝えると、


『お忍びで、馬車の中からだけでも見てみたい』


と言われてしまった、それならばと3日後に数時間だけとの約束をした。




△月☆■日


陛下は今日執務中に気分転換と称し、犠牲者カインに稽古をつけると30分ほど席をはずしていた。


近衛の者が手加減して相手するのどれだけ疲れるかいい加減気づいて欲しい。



☆月△日


街を見に行った、サフィーリア様よりいくつかの提案がなされた。


・道に馬車馬の排泄物をそのままにするよりも、集めて捨てるようにしたら道がもっと綺麗になるのではないか。


・井戸の数が少なかったように見えるがもう少し増やせないのか。


・今回立ち寄らせてもらった孤児院、それ以外の場所も見てみたい。


・道端で倒れていた病人を何とかしたい。


など、など。


うちのノホホン陛下ばかにも見習っていただきたい。


ついでに、サフィーリア様は1枚のメモ、日時と場所がかかれているだけのものを下さった。


『お礼です』っておっしゃっていたが何だろう?


数人で言った方が良いとも言っていた。




☆月*日


サフィーリア様の下さったメモの時間が夜だったので、カイン、アルベルト、エドアルド、ジェファーソンを誘って時間早めで問題の場所へ。


・・・・人身売買の現場だった。


数人で言った方が良いではなく、騎士団連れてくるべきでしょうコレ。


無事、鎮圧できたが、2・3人逃がした。


何処で知ったんですか?サフィーリア様??


明日、聞こう。





☆月◆日


事件後4日ほどたってしまったが、今日やっとサフィーリア様に聞けた。


『毎月同じ日、場所だけ変えてと、お父様が指示していましたから・・・


いきなり騎士団が行ったのでは次の機会は、私が知っている場所を使わない可能性も考えられました。


今回の様に偶然を装えば、組織その物の大きさや、黒幕まで証拠が得られるかと…』


・・・つまり、次の取引までに割り出せってことですか?


サフィーリア様は意外と人使いが荒いかも。




☆月△◆日


サフィーリア様のお茶会に招かれた。


カイン、アツベルト、エドアルド、ジェファーソンも一緒にとの事。


彼女はお茶会は開くが夜会は開かない。


結婚前もそういえばあまり見かけなかった。


何か理由があるのだろうか?





☆月■日


今日はサフィーリア様のお茶会に参加した。


雨の中、庭園の四阿あずまやでの開催だった。


本当にこんなところで、やるのかと訝しんでいたが本当にやった。


そして意味まであった。


「なぜこのような天気に四阿で茶会を?」


と、ジェファーソンが聞けば、


「せっかくの機会でしたから・・・・」


と回答が、更に周りを見回してから、それぞれに視線を合わせて、


「整備された庭園でさえ、少しの雨でこれ程水が溢れます。


これから雨の季節を前に過去に水の被害にあった地域の方達はいか程に不安なのでしょうか?


また、陛下の側近であられるあなた方に私の知らないこの国の実情をご教授くださいますようお願いもうしあげたいのですが・・・・」


雨だから、国の治水の実情のを知っているのかと訴え、知っているなら整備が後回しにされるのは何故かと問われているのではないかと思った。


話す間、表情が大きく変わることは無かったが、お茶会自体は大変実りのある物の様に思えた。




♪月■◇日


サフィーリア様がお忍びで孤児院や街の様子を見に行かれた。


今回で王都にある3か所の孤児院すべてを見たことになる。


帰城後サフィーリア様は何やら考え込んでいた。


サフィーリア様のお茶会に招かれてから俺たちはなんだかんだと、サフィーリア様の偶然を装った公爵家の悪事暴きに加担させられている。


おかげで、上司からの評価が上がってきた。


陛下ばかは何を考えているのか、最近サフィーリア様の部屋に入り浸るようになっている。


何を考えているんだ?




*月◇日


アルベルトから、陛下の側室たちがサフィーリア様に嫌がらせをしていると聞いた。


サフィーリア様に確認したところ、大したことはされていないと言っていた。


侍女頭の話では、動物の死骸や、汚物の贈り物、強制参加の茶会での嫌味に、出されたお菓子に毒物の混入・・・


サフィーリア様は、毒入り菓子を食べたらしい。


訓練しているから大丈夫だと言っていたが、出した方は毒入りだと宣言したのにそのまま食べるサフィーリア様の様子に顔が真っ青になっていたそうだ。


陛下に報告するも反応はなく、「そうか。」と一言。


嬉しそうに、次があったらその時はそれを口実に側室が片づけられるなと言っていた。


陛下はこれをねらっていたんだろうか?


・・・・いや、馬鹿だし偶然かな?。




*月●◇日


サフィーリア様への嫌がらせ判明後、公爵が張り切って、側室たちを片づけてくれている。


まあ、現状公爵の娘のみに陛下が通ってるから立場を確固たるものにさせようとしているのだろう。


カインのやつが、とある筋をたどって、側室たちがサフィーリア様に毒入りの菓子を食べさせたこと、王城から出た噂話として伝えたらしい。


せっかくなので、王城の側妃がいちゅう駆除がんばってもらおう。



*月○○日


最近、少しサフィーリア様の体調がよろしくないと思っていたら、ご懐妊が分かった。


めでたいが、陛下自身に、お子が害されないか不安である。


サフィーリア様は離宮への療養を希望されたが、警備の観点方いえば王城の方が良いと思うのだが。



△月●◇日


側妃がいちゅう駆除は順調に進んでいる。


既に5人中3人の側妃が実家に帰された。


王は通うことが無かったようだが、側室達には避妊薬が処方されていた。


後遺症は少ないとされるが、長期の服用だ今後の懐妊はかなり難しいのではないだろうか?


当初は王妃にもとの事だったが、陛下ばかの馬鹿な嫌がらせで、侍医が処方を見合わせ、体調回復を優先させた結果今回のご懐妊だ。


なにが、幸いするかわからない。


悪徳公爵家にあって善行を知るサフィーリア様なら良い国母になって下さるだろう。



×月♪日


陛下が視察と称しアルベルトと近衛数人と遠駆けに出かけた。


当日中に戻る予定なのにかえって来なかったので、何かあっては流石にまずいので先程、追従の検索部隊を出した。


何事もなければいいが。



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