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楽天家の日常

作者: 五十鈴丸

僕は想う。君の澄んだ眼、綺麗な筋の通った鼻、ちょっと厚目の唇、そしてなつっこい性格…。

「わんっ!」

あぁ折角いい所だったのに、この馬鹿犬が。

自分が散歩したいが為に、主人の楽しみを邪魔するのか。

全く持って愚かしい。

但しそれは飼い主に似てしまったせいですが。

犬を軽く小突いてやろうかという気持ちを抑えつつ、一人と一頭は宛ての無い旅へ。

物の数分で犬が小便を放つと、無意味な緊張感はもう台無し。

本当空気読めよと怒鳴ってみると、小躍りしながら千切れんばかりに尻尾を振る御犬様。

脱力…実は凄い頭が良くて、全部計算づくでの嫌がらせとか。

もしかしてそうなのか?激しく倦怠感に包まれながらもいつもの川へ。

川辺りまで行くとはしゃぐ馬鹿連中。

まるでベタな恋人達の様に水を掛けあっています。

一見微笑ましい筈のこの光景も、テンションが行き過ぎている為、普通の人では近付き難いオーラを醸し出して居ります。

一通りはしゃいだ後はそのまま川原でお昼寝。

いや仕合わせだねぇ、半月掛けて天気を調べた甲斐が有ったよ。

天気良し、気温良し、そよ風具合に至るまで万事完璧。

うとうと春眠を貪ろうとした矢先、馬鹿犬が何やら吠えまくり。

仕方なしに声のする方へ行くと、犬が女性に向かって威嚇しちゃっているではありませんか。

普段女の前じゃ、俺ん時の八割増で愛想振り撒く癖に。

そんでまぁ、何はともあれ事態を収集すべく現場に急行したんですよ。

そしたらもうね、ちゃちいドラマの様な劇的な展開。

その女の子、俺の妄想そのまんま。

こんなん有り?自問自答したり頬をつねったりして、状況を必死こいて呑み込もうとしました。

そしたらさ、俺の一部始終を見ていた女の子が笑い出しちゃって。

面白い方ですね、とか言ってくれるんですよ。

この余りに理想的な流れに、俺調子こいちゃいました。

欧米風のキスでご挨拶、すんげぇ悪ノリ。


しかし彼女ったら、赤面してうつむいてしまうんです。


もうね、順調過ぎてこのまま押し切るしかない、って決意した瞬間、犬にぺろぺろ顔を舐められてハイ終了。


すいません、夢オチでした。


でもこの上なく仕合わせでした。


俺の良いトコって、幸福を感じるハードルの限り無い低さですから。



そんで犬も自分も満足したし、夕方で寒くなって来たからさっさと退却。

夕飯にジャンクフードを掻き込んで、満腹感に任せて寝床に入ります。

眠りに落ちる間際に回想するのは、平凡極まりない今日の出来事。

点数は言わずもがな満点。

不況で就職もままならないとか、明日の生活費も赤信号とか、正直大した問題じゃないのよ。

世間体よりも自分のポリシー、それが守られ続ける限り俺はチャンピオン。

とか少しばかり真面目に考え出した途端に夢の中。明日も愉快な一日に成ります様に。

今作を読んでしまわれた皆様。余りに稚拙な作品に目を通して下さり、本当に有難うございました。これからも精進して、読むに耐えられる作品を創って行く所存ですので、何卒御声援の程をお願い致します。

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