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王都へ

 馬車を走らせて数日で王都に着いた。

ベテラン冒険者は急遽新しい仕事が入ったらしく、ブラックベアの討伐料を置いて、別の村へ行ってしまった。


結局、ブラックベア戦で使った「魔法」のことについては最後まで深く聞かれることはなかった。

しかし、ただ一言「あの力は使わないほうがいい」と言われた。

きっと彼らなりに気を遣ってくれたのだろう。


王都はとても華やかで美しい。

久々に羽を伸ばし、市場で買い物や食べ歩きを楽しんだ。

特に香辛料を使った焼き鳥は絶品だった。


少し値が張ったが、宿屋は温泉があるところを選んだ。

魔力を回復するためには、エネルギーを取り込むのが一番だ。

温泉はエネルギーを豊富に含んでいるため、魔法師には人気があった。


夜のベッドは柔らかく気持ち良かったが、隣に誰もいないのは少し寂しい。


翌日、王立の図書館へ向かった。

予想はしていたが、魔法の書は置いていない。

あるのは魔法を使うモンスターの脅威を伝えるものだけ。

そして、群れを従えるモンスターの記載も無かった。


ブラックベアについて、ベテラン冒険者がギルドに報告した際、他のモンスターを従えていたという証言については、信じてもらえなかったらしい。

元々、魔法を使うモンスターは珍しく、依頼では最上級クラスの討伐難易度である。

その中でも奴は異質な存在のようだ。


「ブラックベアのような個体が他にもいるなら、早急に討伐しないといけない」

イージスはそんなことを考えた。


気を取り直し、使い古された魔術書を手に取る。


イージスが開発した時間魔法と、魔術は少し似ているところがある。

「魔術を習得することによって、時間魔法以外の新しい力を手に入れることができるかもしれない」

イージスは魔術書を開いた。

魔術書の中身は、ヨーゼフの孤児院にあった魔術書より分かりやすく、今すぐ実戦できそうな内容だった。

加えて村の時とは違い、魔力にも余裕がある。


イージスは、魔術書を借りて、早速訓練を始めることにした。

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