魔法と魔術
ベテラン冒険者は戦闘不能。
森はブラックベアの炎に包まれている。
ブラックベアに遠距離からの魔法は通用しなかった。
今のイージスは時間魔法の行使と、先の攻撃で魔力がほとんどなくなっている。
つまりイージスがブラックベアに勝つには、近距離から残りの魔力を使った強力な一撃を叩き込むしかない。
ブラックベアが拳に炎を纏い、イージスに迫る。
イージスは全身に雷を纏い、ブラックベアの攻撃を回避し、背後から一撃を叩き込んだ。
ブラックベアはびくともしていない。
スピードはイージスが上。
しかし火力が足りない。
ブラックベアは再び、イージスの元へ迫る。
イージスは纏っている雷を解き、全ての魔力を拳に込めた。
これでスピードさえもブラックベアが上になる。
しかしイージスは古代最強の魔法師だ。
今までの戦闘経験からブラックベアの攻撃を予測し回避、懐に潜り込み、全力の一撃を叩き込んだ。
ブラックベアは腹を貫かれ、倒れた。
イージスは魔力が尽き、気絶した。
イージスが次に目覚めた場所は、村の病院だった。
どうやらベテラン冒険者達が運んだらしい。
しばらくすると、知らせを受けたベテラン冒険者達が、病室に急いでやってきてイージスに感謝を伝えた。
ブラックベアを見逃していた場合のことを考えると、結果的には良かったが、ベテラン冒険者達がこの村にやってきた理由を思い出すと、イージスは少し複雑な気持ちになった。
お礼をしたいと言われ、何度か断ったが全く折れない。
ならば当初の目的である現代の魔法を、ベテラン冒険者の魔法師に見せてもらうことにした。
レッドベア戦では遠くてあまり見えなかった魔法を間近で見れて気分が高揚した。
ベテラン冒険者の魔法師によると、現代ではモンスターが使うものが「魔法」。
人間が使うものが「魔術」と言われているらしい。
魔法は生来の属性に魔力を変質させ、放出する。
魔術は術式を介し、それに合った魔力を込めて、詠唱をして発動する。
イージスの時間魔法はどちらかというと魔術に近いものだった。
一通り魔術を見た後、ベテラン冒険者の魔法師、もとい魔術師に「魔術について知りたいのなら、王都について行かないか?」という提案をされた。
王都にはたくさんの魔術書や魔術具、魔術学校があるらしい。
イージスはこの提案に乗ることにした。
村で世話になったヨーゼフにこのことを伝えると、快く送り出してくれた。
ベテラン冒険者達は、ヨーゼフを見てとても驚いていた。
翌日、村の人たちと別れをすませ、王都へ向かった。
ちなみにイージスは魔法を使う時、詠唱なしで扱えますが、本来魔法にも詠唱は必要です。(時間魔法を除く)




