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Pomegranate I  作者: Uta Katagi
第4章

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98/105

ファイルのレポート

       挿絵(By みてみん)


 頁の一番上には、WH/FI/001という番号が付されていた。目次の先頭に記載されていた番号のレポートだ。そう、これが一番目のレポートだ。


 その次の行には、Mythus Forschungsinstituteという文字が記載されていた。ドイツ語で神話学研究所だ。その下の行にはReport Numberという項目があり、 そこには18101というWHから始まる番号とは別の番号が付されていた。その下はDateとあり、このレポートの作成日付が記載されている。


 後でわかったことだが、レポート番号の最初の18は作成された西暦年の下二桁の数字で、その後の101というのはFI/1に該当する神話学研究所の最初のレポートという意味だった。つまり、2018年に研究所番号1番の研究所が最初に作成したレポートなので18101という番号が付されている。この番号の付し方からして、このレポートは組織としてきちんと管理された文書ということがよくわかる。


 以前に冬のダイアモンドのパスワード、リゲルで開いた天文学研究所と宇宙物理学研究所のファイルで見たレポートのリストが、以下のようになっていたのは、2019年からパスワードがリゲルに属する研究所番号3番の天文学研究所と4番の宇宙物理学研究所がレポートを作成していたからだった。

 

     挿絵(By みてみん)


 このように5ケタの数字を見ているだけでも、そのレポートがどの研究所でいつ作成されたのかはわかるのだが、真理探究機関としては傘下にある8つの研究所が別々に提出するレポートが一体どの順番で作成されたのかを整理するために、全ての研究所のレポートを古いものから順番に並べて機関としてあらためて連続番号を付しているのだ。その機関としての略称が先頭のWH/FIの表記で、その略称に続く三ケタの数字が古いレポートから順番に付されている連続番号になっているのだ。


 つまり、各レポートは最初、研究所毎に作成する資料なので、そこにはレポートの作成日等を取り入れた研究所個別のレポート番号が付されているのだが、最終的に真理探究機関として全ての研究所のレポートを纏めて管理するためには、全体にあらためてWH/FIの共通する表示を付して、再整理しているのだった。


 もしかしたら、WH/FIで表記される文書は研究部が作成する文書だけを取り扱っていて、管理部が作成する文書はWHと管理部を表す二文字のドイツ語表記の略称、WH/〇〇等で表記されているのかも知れない。


 そんなことを考えながら、このレポート集の全容を知るために、先の頁までパラパラとファイルをめくり各レポートの表紙を確認していくと、レポートの中には単独の研究所が作成したレポートだけではなく、複数の研究所名が記載されたレポートもあった。これらは、きっと共同研究のレポートなのだろうと詩は思った。


 特にファイルの後半は、殆どが共同研究のレポートで3つ以上の研究所の共同研究も珍しくなかった。つまり、時間が経てば経つほど、単独研究から共同研究に移行している研究の流れになっている。


 まだ中身を見た訳ではないが、真理の追究に向けて最初は各研究所が自分の研究分野での知見を披露し、その後で研究所間の議論が深まっていったのではないかと、各レポートの表紙に記載された研究所名が連名になっていく様子で詩は推察した。


 確かにこの世界の真理の追究のためには、全ての分野の研究者達が協力し合って議論しないといけなかったのだろう。いずれにしろ、このファイルを読まないと、いっちゃんの言う真理の内容はわからないのだと思った。ただ、研究所が作成したこれらのレポートはきっと専門的な内容でこれを素人が理解するのには少し時間がかかりそうな気がした。


 だけど、ここまで来て引き下がる訳にはいかない。このファイルは苦労して貸金庫を開けてやっと見つけた資料だ。しかも原文は全てこのリビングルームの収納ケースに入っている。いっちゃんが私に託したこのレポートを必ず理解して真理を解明してやろうと、詩は決意を新たにした。


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