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Pomegranate I  作者: Uta Katagi
第4章

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芽依ちゃんからの連絡

 ねえ、いっちゃん、私はどうすればよいの?


 そのとき、スマホに通知が入った。芽依ちゃんからメッセージの着信だ。「どうだった?」の文字と可愛いうさぎのスタンプ。先週会った時に今日のXデーのことは伝えていたので、気になってメールしてきてくれたのだ。大切な親友が心配してくれているのに、すぐに連絡しなかったことを、詩は申し訳なく思った。


 もちろん、伝えたいことは山のようにあった。少し内容を整理してから連絡しようと思っていたのだが、取り合えず、芽依ちゃんにここまでの現状を伝えておこうと思った。ただ、メール文を作成し出した瞬間から、とてもメールでは伝えきれない内容だと感じたので、電話で話せるかどうかを問い合わせてみた。すると、今なら大丈夫とのことだったので、折り返し芽依ちゃんに電話を入れた。

 

 「芽依ちゃん、連絡遅くなってごめんね。」

 「こちらこそ、忙しいのにごめんね。今日、Xデーだったよね。どうしても気になってしまって。貸金庫を開けに行った?」

 「うん、開けに行ったよ。」

 芽依ちゃんが、固唾を呑んでいる様子が電話口でもわかった。


 「それで、貸金庫は開いた?」

 当然の質問だった。詩は土壇場で暗証番号の数字の順番に苦労したものの、最終的に貸金庫を開けることが出来たことを答えた。


 「詩ちゃん、やったね!それで、中には何が入っていたの?」

 芽依ちゃんの声のトーンが上がった。


 「うん、ありがとう。貸金庫の中には、彼の手紙とファイルが入っていた。あ、青い薔薇のブローチも。少し時間かかるけど、順を追って話すね。時間は大丈夫?」

 「うん、大丈夫だよ。教えてくれる?」

 「もちろんよ、少し長くなるけど聞いてね。」


 ここから、詩は芽依ちゃんにリビングテーブルに広げている手紙の内容を説明した。まずは遺言書の内容を話して、何よりも便箋に書かれているいっちゃんのメッセージを詳しく伝えた。


 芽依ちゃんは電話口で一言一句、相槌を打ちながら話を聞いてくれていたが、メッセージの後半『僕はこの世界にいます。』の下りになると、沈黙した。


 「ねえ、芽依ちゃん、この言葉ってどう思う?」

ずっと静かに聞いてくれていた芽依ちゃんもこの思わぬ展開に、少なからず驚いた様子で短く答えた。

 「ごめん、私もわからない。」

 

 詩は思わず、一番聞きたかったことをテーブルの上の手紙を見つめながら問いかけてみた。

 「私への慰めの言葉なのかな?」


 すると、芽依ちゃんはこう答えてくれた。

 「いや、違うと思う。単なる慰めの言葉なら、いっちゃんはここまでしないと思う。もし、そうなら最初の実家に遺した手紙に書けばよいことだから。」


 「ありがとう、芽依ちゃん…」



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