貸金庫の中身
そんなことよりも、早く貸金庫の中身が見たい。高揚する気分を抑えきれずに、財布から鍵を取り出した。鍵穴に差し込んだ。ピッタリ入った。
カチ!
鍵を回すとロックが外れた音がした。上部が金属の蓋になっている貸金庫だった。鍵を回したまま、蓋を手前に引き出すと、貸金庫の上部が開いて、その中が見えた。
金属製の貸金庫の中を覗き込むと、一通の白い封筒と2冊の水色のファイルが入っていた。ファイルはB5サイズの大きさだ。背表紙にファイルのタイトルが記載されているが、日本語ではなかったので意味はわからなかった。
詩は、貸金庫からその封筒とファイルを取り出し、ショルダーバッグに入れた。取り出した貸金庫に再び鍵をかけて、テーブルの中に戻そうとして持ち上げたとき、乾いた金属の音が鳴った。
「カラン!」
「あれ、何だろう?まだ、何かある。」
再び貸金庫を開けてみると、さっきは目に入らなかった青い薔薇のブローチが金属のボックスの底に入っていることに気づいた。
詩は、そのブローチをボックスから取り出し、手のひらに置いた。見覚えのあるいっちゃんのブローチだった。
詩は、そのブローチを大事そうに財布の中に入れた。
これで全てだ…
他に何も入っていないことを確認し、詩はその場を後にした。
遂に貸金庫の中身、見たことのない世界の扉を手に入れた。




