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Pomegranate I  作者: Uta Katagi
第3章

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ポルトガル料理

 芽依ちゃんとは、二人が気に入っているポルトガル料理のお店で会うことになった。ここは、いっちゃんが教えてくれたお店だ。シェフがポルトガルで修業していたので、味は確かだと聞いた。


 ポルトガルには行ったことはないが、現地の美味しい料理はこのお店で経験することができる。街中にある地下鉄の駅から少し離れたところにあるので、落ち着いて話をするのには好適なお店だ。


 休日のお昼の時間、駅から住宅地に繋がる路地を抜けて、先にお店に着いてテーブル席で待っていると、ほどなくして芽依ちゃんがお店に入ってきた。


 「芽依ちゃん、こっちこっち!来てくれてありがとう。」

嬉しくて思わず、大きな声で呼びかけた。


 「どういたしまして。私も話しの続きが聴きたかったから。それにここのデザートも食べたかったしね。」

と向かい合わせの席に腰かけながら、答えてくれた。


 そう、ここのデザートのパン・デ・ローはカステラの起源になったとも言われていたらしくとても美味しい。プリンのような触感で、味はカステラだ。いつものように、調理するのに時間がかかるそうなので、最初に注文を入れておいた。今日は誘った私がご馳走しようと思っている。


 注文が終わって、飲み物と前菜が揃ったところで、芽依ちゃんが切り出してきた。

 「ところで、どんな進展があったの?」


 私は、興奮を抑えきれずに、段ボール箱の中身を全部確認したこと、そして6が完全数であったことを芽依ちゃんに伝えた。そして、暗唱番号が6の約数かも知れないことを話すと、芽依ちゃんの顔つきが変わった。


 「鳥肌が立ってきたわ!完全数!6にそういう意味があったの!」

物知りな芽依ちゃんが珍しく心から驚いたようで、その感動が詩にも伝わって来た。


 「きっとそうよ、六芒星だもん。封筒を開けるときの封印が六芒星だったのは、完全数6が扉を開ける時のヒントだよって伝えていたのよ。」 


 「そして、メッセージの最後も六芒星で終わってたもん。」

 そう、署名の後にも六芒星の印があった。さすが紋章好きの芽依ちゃん、そこまで覚えていたんだ。


 「私も今まで6から始まる番号を考えてたんだけど、どうしても4ケタの数字って考えつかなくてさ。」

 「それが完全数の要素だったとは…」

 と芽依ちゃんがつぶやいた後、

 

 「で、いつ貸金庫を開けに行くの?私も中身が知りたい。」

と聞いてきた。


 私は、次の土曜日に貸金庫を開けに行こうとしていることを伝えた。芽依ちゃんがここまで言ってくれているので、暗証番号は確実に合っていると思った。


 メインディッシュの地中海風のお魚の料理を美味しく頂いた後に、若い店員さんがお待ちかねのデザートをテーブルに持ってきてくれた。

 この日のパン・デ・ローは特別に美味しかった。


 結局、お会計は、二人で話し合ってデザート分だけを私がご馳走することにした。お店をでるとき、芽依ちゃんに約束した。


 「貸金庫の中身がわかったら連絡するね!」

 「絶対よ!」


 街中の地下鉄の駅に向かって路地を歩く二人を暖かい春の日差しが照らしていた。



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