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Pomegranate I  作者: Uta Katagi
第3章

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量子と心

 段ボール箱の方に戻って、宗教に関係する本を段ボール箱から取り出した後、箱の中を覗くと、『宇宙と量子と心』というタイトルの書籍が目に入った。宇宙や量子という言葉があるので、これは宇宙物理学研究所の本ではないのかと思ったが、その本を開いてみると、これまで見てきた科学の本とは全く違っていた。宇宙と量子の他に、『心』とあった。


 これまで読んだ本では、科学者はこの世界の全ての現象は科学で証明できると言っていた。その考え方は、物質からなる世界、物質世界がこの世界の存在の前提であり、人間の精神や魂は存在するとしても、その存在する物質の中から産まれるものであるとするものだった。


 なので、科学者の夢である統一理論も、物質世界を支配する全ての法則を明らかにすることを目的としていて、そこに精神世界を支配する考え方や哲学などは必要とはされていなかった。先日来の書籍を見ていて、偉い科学者達が言うので、そんなものかなと私も思っていた。


 だけど、この本の概要を記した冒頭のくだりを読むとそうではないと言っていた。この世界には、物質世界の他に精神世界が存在するということを言っていた。


 もちろん、これが宗教家や哲学者であれば、そのような主張をすることは理解できる。私も小さい頃から、両親によく言われていた。悪いことをすると地獄に落ちると。その一方で良い子にしていれば天国に行けるから、良い子にしようねと。


 そういう宗教の話しは、科学に疎い私も、現代科学の対象ではないと思っていた。しかし、この本を執筆した人は著名な科学者だ。その世界的に有名な科学者が、非科学的ともとれる精神世界の存在を認める説を主張しているのには、少し驚いた。


 確かに、人間の意識や魂を精神世界というのなら、それは物質世界とは独立している気がする。地球環境問題なども人間の意思による活動が確実に物質世界に影響していて、人間の意思を考慮しないと、この世界の全てのことは物理法則だけでは説明できないと思う。


 明るい未来にするか、そうでないかは物理の法則ではなく、人間の意識や創造力で決まると考えてみたい。AIがどれだけ発達したとしても、それは過去の情報を大量に調査分析できるだけで、人間の創造力を超えることは出来ないと信じてみたい。


 この話は難しい科学の話しではなく、哲学的な話で興味があったのと、これからの自分の未来のことに関わる問題である気がしたので、詩は本の中身を詳しく読んでみた。そうすると、この話は統一理論の夢に関係していることがわかった。


 現代科学の研究者たち未だにわからないと悩んでいる課題は、広大な宇宙の現象と、見えないくらいに小さな世界の現象。このため、宇宙物理学や量子力学の分野で精力的な研究が進められていて、それらが解決されれば、科学者達の夢である統一理論が完成する。


 これが一般的な科学者たちの理解だ。だけど、わからない問題は本当にそれだけだろうか、人間の心もわかっていないのではないだろうかというのが、この本のテーマだった。


 そもそも、物質から精神が生じるという考え方には問題があり、人の感情や創造力は物理の法則では解明できない神秘だということを、宗教や哲学ではなく科学者らしく脳の中の現象を列挙して、論理的に主張している本だった。

 


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