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Pomegranate I  作者: Uta Katagi
第3章

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統一理論

 帰宅後、お手軽ソースで炒めるだけのパスタ料理を作って、簡単な夕食をとってから、先日の段ボール箱の続きの本を手に取ってみた。宇宙物理学研究所のFI/4のコーナーにあった本だったが、案の定、理系の書籍なので、工学部の教科書のような本ばかりだった。特に、量子力学や微分積分学などのタイトルの本には、難しい数式や記号がいっぱい記載されており、文系の人が簡単に内容を理解するのは困難だった。


 そういう本に記載されているいっちゃんのコメントを読んでみても、何を言っているのかがよくわからないものが多かった。ただ、そのコーナーの本の中に統一理論の夢という本があって、そこには物語風に科学者のロマンが記載されていて、その本の内容は興味深かった。要点は、この世界の全ての現象を一つの理論で統一するというのが科学者の夢で、未だにその夢は達成できていないというものだった。


 本当にそんな理論が存在するのかどうか不明だが、科学で証明できないものなんてこの世にあり得ないというのが、科学者の考え方でその究極の夢の達成に向けて、世界中の科学者達が現在も統一理論を追求しているらしい。


 古くは地上の世界で、ニュートンが樹からりんごが落ちるのを見て、万有引力の法則を発見したり、クーロンやマクスウェルなどの科学者がテレビの普及やインターネットの発展に貢献する電磁気学の基本法則を発見してきた。


 要は、ずっと昔から科学者たちは、この世界の現象は科学で証明できるという強い意志に基づき、重力、電磁力などの法則を見つけてきた。中世の時代は宗教が社会を支配していた時代で、地動説で有名なガリレオ・ガリレイが宗教裁判の際に、天動説を唱える宗教界の人々に『それでも地球は動く』と言ったという話は私も知っているくらいに有名だ。


 科学者たちは信念をもって、この世界を支配している原理原則を科学で追及してきた。その科学者達の素晴らしい発見で、この世界の様々なことは確かに理論的に証明できるようになっている。


 だけど、未だにわからないことはたくさんあるらしい。特に、宇宙は広大で人類にとって未知の領域だ。アインシュタインやホーキングといった著名な科学者達が一生をつぎ込んで探求している学問が宇宙物理学のようで、科学者達の夢である統一理論も宇宙のことを解明していくことで、そのヒントが得られるようなことが書いてあった。


 ここまで読み進んできて、少しほっとした。先日、芽依ちゃんが話してくれたポルックスの話しは、お化けとか幽霊とかのオカルトみたいな話で少し怖くなっていたのだが、理科が得意ないっちゃんは科学的に物事を考えていることが確認できたからだ。

 

 私が見たこともないSF小説のようなストーリーで戻ってくるかも知れない。時間を超えたタイムトラベルかな…、それとも他の方法かな。彼が使う魔法というのは、実は最新の科学なのかも知れない。でも、一体どうやって私に会いに来るのだろう。


 いっちゃんが戻ってくるかどうかわからないのに、何の証拠もないのに、いつの間にか詩は彼が戻ってくることを信じていた。それが本当かどうか、その答えは貸金庫にあると考えていた。だから、絶対に暗証番号を知りたい。


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