小屋の夢
その夜、不思議な夢を見た。ここはどこかの岸辺だろうか。少し向こうには湖のような水面が広がっている。その水面には霧がかかっていて遠くまでは見渡せない。向こう岸が見えないので、川なのか海なのか、湖なのかはわからない。潮の香りはしないので、湖だと思った。足元は小石混じりの砂地だ。
岸辺からその湖に向かって進むと近くに小さな小屋が見えた。古い漁村にあるような木造の物置のような小屋だ。漁具などが置いてあるような物置で、人が住んでいるような気配はない。
なぜかわからないが、詩にはそこに大切なものがあることがわかっていた。でも、それが何かはわからない。それを確かめるために、小屋に向かって進もうとすると、突然目が覚めた。
ここは、自宅のベッドだった。「え、何だったんだろう。」
時々、夢を見ることはあるが、それは断片的なものだったり、景色はぼんやりしていて思い出せないことが多いのが普通だ。けれども、この夢の景色は鮮明に思い出せた。それが夢なのか、現実にあったことなのか、区別がつかないくらいだ。
大切なもの…、なんだったのだろう。私はそれが存在する場所を知っている。そう、それはこの世界では貸金庫の中だ。でも、暗証番号がわからない。だから、たどり着けない。
考えてみると今の私の状況に似ている。だから、そういう焦る気持ちが夢になって現れたのかな。心理学とかで夢は実際の記憶から創られるとか、昔聞いたことがある。夢占いとか、あまり興味はないけど、そういうのがあることは理解できる。
きっと、今の私を象徴するような気持ちが夢になって出てきたのだろう。特に、昨日は大量の本を読んで疲れていたから…
このときは、そう思った。それにしても、リアルな夢だったなともう一度、その光景を思い浮かべた。




