芽依ちゃんとカフェ
いつものカフェで紅茶を飲みながら、芽依ちゃんに話を聞いて貰った。最近、頻繁に会って貰っているから、気が引けるのだが、相談相手は私のことを理解してくれる芽依ちゃんが一番だ。
「そんなたくさんの本を調べてたって、ただのロマンの探求じゃないと思うよ。だって本代もかかるしさ。それに誰かに話す程度の話題なら、最近ネットでいろんな情報が手に入るもん。」と芽依ちゃんは、望んでいた意見を言ってくれた。
「大切なものがわかる人って、詩ちゃんのことだよね。詩ちゃん、何か覚えてないの?」
「思い当たらないの。彼との間の大切なことと言えば、婚約だけど。それと暗証番号がどう関係しているかなんて思いつかない。」
「なるほど婚約ね。いっちゃん、結婚の日について何か言ってなかった?」
「具体的な日取りはこれから決めようって話をしていただけで、日程は決まってない。お互いに仕事もあるし、両親とも相談しないとだし。」
「うーん、そうか。でも何か気になるから、思い出したら言ってね。」
「うん、ありがとう。」
ティーポットからカップに紅茶を注ぎながら、いたずらそうな顔で芽依ちゃんが言ってくれた。
「魔法使いなんだから、本当に戻ってくるかもしれないよ。」
「そんなことあり得ないけど、芽依ちゃん、ありがとう。」
そのとき、芽依ちゃんが真っすぐにこちらを見つめて、こう切り出した。
「詩ちゃん、私少し気になることがあるの。言ってもいい?」
「え、何?もちろん言っていいよ。何?」
芽依ちゃんがあらたまって話したいこととは何事だろう。詩は少しドキドキした。普段から芽依ちゃんは勘が鋭いと思っていたので、この件については尚更だ。
「六芒星が冬のダイアモンドだったじゃない。だから私、少し星のことを調べてみたのよ。」
「うん、それで何かわかったの?」
カップに入った紅茶を飲んで一息ついた後、芽依ちゃんはこう話した。
「プロキオンから始まって、ポルックスまで並んでたじゃない。私、その並びに意味があるように思えたの。」
「うん、それで?」
「それで星の意味を調べてみたの。そうすると、プロキオンは先立つものという意味があるらしいの。星の動きで言うと、シリウスよりも先に東の空を昇るかららしいの。」
「へえ、そうなんだ。だから、最初の位置になっているのね。」
「そうなの。ちなみにアルデバランは後に続くものという意味なの。」
「芽依ちゃん、凄い。だから、後の方になっているのか。」
「うん、オリオン座のリゲルの後ね。まあ興味深いけど、そこはそんなに大事じゃないの。問題は最後のポルックスなの。」
「ポルックス?」




