表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Pomegranate I  作者: Uta Katagi
第3章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/106

菜美ちゃん

 心療内科の先生の薦めで、勤務日の朝にはまだ内服薬を飲んでいるが、先日来、休むこともなく会社勤務を継続できていた。会社に復帰してから二週間も経つと、徐々に職場の同僚と以前の関係に戻りつつある。もちろん、私がいるときは恋愛の話しはしないという暗黙のルールのようなものは感じたが、美味しい料理や旅行のことなど、ランチタイムや休憩時間中は、職場のみんなと日常的な生活の話しに花が咲いた。

 

 今日もこの時期の女子の話題のホワイトデーのトークはなくて、ショートヘアが似合う同期入社の菜美ちゃんが、学生時代に留学していたアメリカの話しを職場の休憩時間に話してくれていた。


 「私、大学のとき、海外研修プログラムでワシントン大学に研修に行くことになってさ、もしかしたらワシントンって首都だから大統領を見れるかもって期待してたんだよ。でも、そのとき知らなくてさ、アメリカでワシントンっていうと、首都のワシントンD.C.とワシントン州の2つがあることをさ。ワシントン大学って実はワシントン州のシアトルにあって、首都とは全く関係ないのよ。なのに、親に間違えてアメリカの首都に行くと言ったら、近所で噂になって恥をかいちゃったんだよね。」


 「そうそう、ワシントン州で西海岸だから、東海岸の首都とは全然、違う場所にあるんだよね。アメリカって本当に大きいよね。」と、紺色のスーツが定番の上品で知的な雰囲気のある美紀先輩がフォローしてくれた。


 「そもそも、D.C.って何か知らなくってさ。Distinct of Columbia、コロンビア特別区の略だって、後から聞いたよ。」と菜美ちゃんが続けると、

 「そんなのアメリカに行かないとわかんないよね。でも、菜美ちゃん、アメリカに留学ってすごいよね。」と美紀先輩が纏めてくれた。


 「アメリカ人て、何でも略すのが好きだよね。ホワイトハウスもW.H.とかいうんじゃない?アメリカ人と待ち合わせして、D.C.のW.H.前に集合とか言われたらどうする?」とそこに上司の松野さんが間に入ってきた。


 「え、そんなの言われてもわかんないよ。」「ほんと、そんなの意地悪だよ。」と菜美ちゃんと美紀先輩は笑顔で談笑していた。


 そのとき、ふと思い出した。WH… レポート番号の最初にある記号だ。まさか、ホワイトハウス?そんな訳ないか?でも、いっちゃん、アメリカにも出張したことあるから、何か関係あるかもしれない。


 そんなことをぼーと考えていると、「詩ちゃん、どうかしたの?」と美紀先輩に聞かれた。


 「うん、何でもない。私も海外に旅行したいなって思って。」と受け流すと、「私も行きたい。ねえ、一緒に行こうよ。松野さん!有給をお願いします!」と菜美ちゃんが茶化してきた。


 最後にいつものように「ちゃんと仕事が出来てからね。」と松野さんが笑顔で会話を締めた。


 それにしても、WHが何を意味しているのか気になった。何の略だろう。もしかしたら、それが貸金庫の暗唱番号に関係するような気がした。そもそも、ドイツ語で書いてあるということは、日本でなくて海外に関係することなのかな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ