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Pomegranate I  作者: Uta Katagi
第4章

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梅雨の日

 そろそろ、梅雨入りだろうか。最近、空気が少し湿ってきた気がする。浴室の洗濯籠にある衣類を取り出して、ドラム式の洗濯機に入れながら、今日は洗濯物をベランダに干すのは止めようと詩は思った。日曜日の朝、外は曇り空で少し重たい空気の中、洗剤を洗濯機の所定の場所にセットして、スタートボタンを押した。


 洗濯機のモータ音が鳴る洗面所からあらためてリビングルームに戻り、早朝に淹れた紅茶を飲みながら、テーブルにあるレポートのファイルを眺めてみた。昨夜、確認したWH/FI/005のレポートで北の面の詩の意味が少しわかった気がしたが、それがいっちゃんとの再会にどう繋がっているのかがまだわからない。今度、芽依ちゃんに会うときまでに頭を整理しておこう。先日からここまでの経緯を報告するにも、真理というとてつもなく大きな話について、何をどこまで伝えたら良いのか、頭の中が混乱している。話す方が混乱していると、きっと聞く芽依ちゃんの方も混乱してしまうだろう。


 それはそうと明日は月曜日、また会社が始まる。菜美ちゃんとの約束も気になっていた。ヨーロッパ旅行の件で、先週の金曜日の帰り際に軽々しく菜美ちゃんに言ってしまったのだ。

「じゃあ、私も行きたい場所を提案するからね、バイバイ!」


 つまり、菜美ちゃんが提案したパリには一緒に行くことは既に決まったとして、その他に訪問する場所をどうするという話になっていた。その話の流れで、菜美ちゃんから行きたい場所を提案して欲しいと言われて、小雨模様の天気で少し急いでいたこともあり、そう答えてしまったのだ。


 つまり、菜美ちゃんの行きたい場所と、私の行きたい場所を合わせて一週間の旅行プランを、これから二人で計画することになったのだ。多分、明日聞かれるから今日中には候補地を考えておかないといけない。


 心の中では、いっちゃんとゆかりのあるドイツに行きたいと思っていたが、具体的な都市の名前とか場所になるとアイデアがない。どうしよう。そんなことを考えながら、ぼーと部屋の中を眺めていると冬のダイアモンドのフォルダ検索で使用したノートパソコンが目に留まった。


 彼と付き合っていた頃、このノートパソコンで連絡を取り合っていた。そういえば、ドイツに出張していた時も、このパソコンで現地の写真を閲覧していた。もしかしたら、そのサーバ上の共有ドライブに今もその写真が保存されているかも知れない。そうだ、その写真から行きたい場所を考えてみよう。


 そう思い、久しぶりにパソコンを立ち上げてみた。電源を入れてネットにアクセスし、彼との連絡の際に使っていた大学時代からの古いアカウントで、彼との共有ドライブに久しぶりにアクセスしてみた。一般的に共有フォルダのデータは、アクセスがないと2年間くらいで消去されるはずなので、もうデータは残ってないかも知れない。そんなことを心配しながら、フォルダをクリックしてみた。


 すると、パソコンの画面に、『ヨーロッパ出張』というフォルダが現れた。彼と共有していた懐かしいフォルダだ。


 やった!まだ、奇跡的に残っていた!

 もしかしたら、これも彼の秘密の預金口座で有料の契約をしていて、データが消えない設定になっているのかも知れない。いずれにしろ、今となっては、貴重なデータなので、後でダウンロードしておこう。真理の追究に役立つかも知れないし、もし良い写真があれば、カメラ屋さんで写真にプリントアウトして彼の両親に今度、持っていこうと詩は思った。

 


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