に!
吾輩はねこであ「リリさまあ! また貴重な本をこんなにビリビリにして〜!今日こそは文字の書き取り、最後までしてもらいますからね!」
そう言ってプンスカ怒っているこやつは、吾輩に文字とやらを教えている、マーサである。
そう、吾輩は猫に戻るため、魔法とやらを学ぶはずが、文字を学ばないと魔法を使えにゃいらしいのだ。まったく、にゃんと面倒この上にゃい!
魔法とやらは、呪文を唱えれば魚が出現するような、もっとお手軽なものだと期待していたというのに…!
吾輩の目の前には、真っしろな四角い紙と、羽の生えた棒が置かれていた!
羽ペンとやら、にゃんと魅力的にゃ棒じゃ!
羽が風に吹かれてパタパタしておるではにゃいか!
吾輩、狙った獲物は逃さにゃいのだ!
バシャッ!
「あああああ!リリ様!」
吾輩の手は黒くてドロドロした液体まみれになっていた。
ふむ、これは早急に綺麗にするにゃ
ペタペタと液体を擦り付ける。くっきり吾輩のマークがついていく
にゃんとおもしろい!
「や、やめてえええ! リリ様!その手で机を触らないで!あああ、新しい椅子にまで!」
マーサは目に水を溜めながら、吾輩を掴み上げてきた
吾輩の動きを止めるなんぞにゃんと無礼なやつめ
吾輩は、まっくろな手をマーサの真新しい服に向けて振り上げて、高らに抗議する。
うるさいにゃ! はやく下せ!吾輩は飽きたのだ!文字とやらがつまらにゃすぎるのが悪い!さっさと魔法とやらを教えろ!
「ひぐっ…だからリリ様、魔法を学ぶには、まず魔法の文字を覚えなければならないんですよ!それなのに、本を破って、こんなに汚してどうにもなりません…!」
魔法の文字?吾輩は賢い猫だぞ!そんなものなくとも魔法にゃんぞ勘で使えるわ!あの魔法使いどもも、唱えるだけで使えてたではにゃいか!
「それは絵本の話であって、現実と物語はちがうんですよう」
しかし、吾輩が魔法書とやらをパラパラめくってみたが、本当に記号のようなものばかりで、まったく意味不明にゃのだ。
文字を読めにゃい程度のことで、魔法が使えないとは猫に戻るにゃんぞ程遠いではにゃいか!!




