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詩全集3

出歯亀

作者: 那須茄子

呼吸の曇りを今眺めている

向こう側のあなたは知らない

僕の眼がただの虚空だってことを

蛍光灯の眩しい白が

もたらしている


カーテンの隙間から零れた

あなたの生活の残り香

朝のトーストは焦げついて

夜のシーツは皺くちゃで

それだけの情報で

僕の頭は満員電車

あなたは僕の知らない誰かと

笑い合ってキスをして

その度に僕の心臓が

鉄の棒で叩かれるような音を立てる

あなたの部屋は秘密箱だ

僕はただの観客で

入場料を払わずにきた罰当たり


でも終演までは見れそうにない

いつの間にか

遠いサイレンが心を切り裂いていく

僕の指先は震えっぱなしだ

僕があなたを好きだったか

それともただの記録をつけるためか

何をどうしたいのか自分でも分からない

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