まさかの集束……
次回からなるべく早く執筆するよう勤めます。申し訳ありませんでした。
おかしな話しだ。昔自分が贈った剣が、自分を倒そうと振るわれているのだから。
泊眞家の権力で正式な免許も持たない蒼井に誕生日プレゼントと称して日本刀を贈ったことを疹は心の底から悔やんだ。
「おらぁっ!!」
自分へと突きが放たれる。しかし、弱点を少なくした片手での突き“出し”
隙のないそれには完全な対処法など見つからず、体を逸らして回避する。
「甘いわ!」
そして、愛刀を振り上げ…即座に振り下ろす。突き出しの分、蒼井は踏み込んで居らず場所はズレることなく疹の日本刀は正確に蒼井の頭を狙い討つ。
だが、無理に動けないかと言われればそうでもない。力を全て下半身に移動、体重も加わり盛大に尻餅をつく。なんともマヌケな対処法だが、背に腹は変えれない。命にマヌケは変えられない。
後は下半身に迫ってきている疹の日本刀を止めるだけ。一撃程度なら死ぬことはないが、流石にこれは止めないと性別が変わってしまうので慌てて右に転がる。
「あぶね~…あぶね~よ!俺を女にする気か!?」
「…勝手にやったのは貴様だ。それに安心しろ、貴様のような女、誰も嫁にはとらん」
今のは疹の本音だ。本音の筈だ。しかし、その台詞は完全に蒼井には挑発だと感じられた。別に「女になったら儂が貰ってやる」などと言う台詞は期待していない、寧ろ要らないが「誰もとらない」にはまた別の苛立ちを掻き立てられる。助走を付けて跳躍すると、日本刀でやるべき技なのかとも問いたくなる兜割り。別に邪道でもなんでもないが、蒼井の全体重と怒りからの全力を込めた落下に、その刀身が耐えられるか自信がない。
それを悟った疹は、静かにニヤリと笑った。半歩回避するだけで
勝負は着いたも同然
「あ…」
蒼井の日本刀には綺麗にヒビが入っていく。遣りすぎだ。
「…ふふ、これで!!」
今度は疹が切りかかる、鞘に収めてからの突進…居合いだ。
「まだだぁな‥!」
だがそれに相殺するのは黒い布?即座に蒼井と疹の間に入り込んできたそれは、糸も簡単に疹の居合いを弾き飛ばした。
「またかっ!貴様はどれだけあの馬鹿の装飾品を身に纏っておる?」
「あと3つくらいじゃね?」
その黒い布こそ、嘗て虐待ギリギリと言われた防弾学ランーーダークピアス。名前こそピアスと貧弱そうであり、尚且つ防弾と言われているが中にはかなり重圧な鉄板が仕込まれており、コンクリートさえ粉砕する45口径のデザートイーグルでさえ2発までなら耐えられる代物。因みに、校長の作ったこの学ラン、名前の由来は「あ~俺のピアス今日黒だわ」からだとか。
「ん?てか、教師がピアスしてたら生徒に示しつかねぇ気が‥」
「あのような人間、示しも糞もないわ!」
学ランと日本刀を再度ぶつけながら言葉を交わす。
「おいおい言ってくれるじゃんよ…」
そして、ぶつかり合うそれの間に校長の顔。
「え?」
「なぬ?」
まさかの形で戦闘の集束。てか校長、業務は良いのか…?