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決着

「だらぁっ!」


右片方の手だけで握った黒桜を思い切り桔梗に打ち当てるも、黒桜と桔梗の対角線上に位置する大鎌は、そうそう主人への攻撃を許してはくれない。

鎌の刃に2回、柄に1回、黒桜の刀身が打ち当てられるだけで攻撃は中断を余儀なくされた。


「ぬんっ!」


風が吹き抜けたと思った途端に、左頬を切り裂く大鎌。相変わらず、大きさとスピードが釣り合っていない。

桔梗の反撃は、速く、しかし的確に蒼井の頬や四肢の一部を切り刻み苦痛を与える。

大鎌とは違い、巨大さを持たない黒桜の形状は防御には不向きである。

ゆえに桔梗の攻撃を全て蒼井は防御ではなく回避で対応しているが、足からの首など、刃の巨大さをフルに活かした攻撃は全て対処しきれない。


「はぁ――っ!」


「ぬっ!?」


このままではいけないと、蒼井は一度黒桜の刀身から蒼い雷を噴出――爆破させた。勿論、桔梗が回避するのを見越してだ。この爆発で敵を倒そうなどと浅薄な考えを、寧ろ蒼井は出来なかった。

大きく後ろにバックステップで退避した桔梗。狙った通り、体制を立て直すために距離をとることには成功した。

今一度、強く黒桜の柄を握り直し蒼井は呟く


「強い」


黒桜の威力やスピードなどの基本スペックは全て、前回の戦いで把握されていたのだろう。いつかの圧倒的さが嘘のように桔梗は蒼井の1手先を読んでくる。此方ばかりが桔梗の戦い方を知っていてアンフェアだと、幾分思っていたがその心配もなさそうだ。

本気でやらなきゃやられる。それは四肢の傷が既に物語っていた。


体がプルプルと震え出す。


だが恐怖はなく


きっとこれは武者震い。


自覚して直ぐに、蒼井は武者震いも寒さで震えるのも似た感覚だと思った。

正にその通り。

何ら変わりない。

特別なものじゃない。


そう、昔の喧嘩三昧とこの状況を比べて見ても、これは特別なものじゃない。


強い相手に挑んで


力をぶつけ合って






「勝つ!!!!」


黒桜に蒼色の雷が集中していく。その感覚すら蒼井は感じ取り、呼吸をするのと何の大差もないなと思った。

しかし超能力が黒桜に集まっているのは確かなようで、蒼井の両の手より先は全て蒼光に包まれた。

体の全ての力が、今そこに集まっているのだろう。

この剣なら勝てる。

蒼井は笑った。


「面白いっ!」


一方で桔梗も、目の前の敵の異常に怖がる素振りが一切ない。

寧ろ楽しむように鎌を構え直す。


「最強技と最強技の……」


「ぶつけ合いといくかぁ!!」


刹那、2人が地面を蹴った――。



「はぁああああぁああぁ――蒼光雷龍!!」


「群雲――!!」


叫ぶように雷が轟く日本刀と、鈍く黒色に発光する鎌がぶつかり合う。

両者にかかる負荷は絶大であり、少なくとも蒼井は力一般に黒桜を支えていた。少しでも力が抜ければ、途端に雷は反発し、その剣を地に落としてしまいそうだったからだ。



「うぅぅううおおぉぉぉぉおお!!」


そしてそんな中で蒼井は懸命に叫んだ。


好敵手と決着をつけるため――――。

大変申し訳ありませんが、来週は漢字検定の追い込みをしなくてはならないので休載いたします。

すいません!

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