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由緒正しい日本刀

更新が遅れてしまい、申し訳ありませんでした!!

ガラララッ!


教室に帰ってきた蒼井が直ぐに経験するのは




ーー閃!


前髪の数センチカットだった。


「し、疹…真剣を振り回すなよ‥」



前髪を切った刃物の持ち主こと泊眞(はくま)(しん)は蒼井を力強く睨み付ける。


「学園の恥が……」


「一応影では立派なことしてる」


「良かろう、ならば決闘だ」


明らかに頭の可笑しい連中の会話だろう。確かに朝っぱらから騒動を起こした蒼井は悪い、しかしそれは疹が真剣を用いての全力排除をする理由にはほど遠い。


「待て待て!俺は真剣を持ってない」


しかも疹は由緒正しい泊眞家の生まれ…無理なのだ。




ーー相手が銃刀法違反で捕まるのを待つのは…



即座に教室の扉を開けて廊下に逃げ出す。


「…阿呆、逃げ出して何になる?」


だが後ろから日本刀が空を斬る音、金属の放つ冷たい感覚が感じられる。「振り向いたら殺される」そんな気持ちで蒼井の脳みそは一杯。取り敢えず、鬼神時に鍛えた身体能力で階段を一気に飛び降りると壁に蹴りを一発。その反動で更に階段の踊場から下へと降りる。


(後少し…)


いつの間にやら思い付いた、疹に対抗する為のある場所を目指す蒼井。だが、それも叶わない。


「…終わりだ」


突如、天井から真剣の兜割りが炸裂する。


「テメェ…ガチで殺す気だったろ‥」


「…当たり前だ。だが、存外腕は悪くないようだし…殺すのは惜しい」


「じゃあ…剣、引っ込めろや!!」


蒼井の履いている校内歩行用シューズ。校長が画鋲を踏んで怪我でもしないようにと過保護を更に上回る気持ちで作った正式名称『対画鋲用防御板仕込靴』がこんな所で役に立った。名前通り、金属制防御板が仕込まれているのだから。


「…その靴、この学校で履いているのは貴様のみだぞ?」


だが、実際に画鋲を踏めば金属板と棘がこすれ合い嫌な音が発せられ、しかも重いとのことで全ての生徒からは忌み嫌われているのだが。


「その下駄…学校に履いてくるのはテメェだけだぞ」


鍔迫り合いを繰り出す靴と真剣。


「知るかっ!」


日本刀を引いて再度叩き付ける。蒼井はバックステップでそれを回避し、身を屈めてまずはアッパー。これは自分と同じバックステップで回避される。ならばと、自分の脇腹に突きを放たれる真剣から身をかわし……




ーーBingo!


突きは型の形式上威力を高めることも考慮して、右足を踏み込み両手を刀に添えてしまう。力を思い切り入れた足をそのままバネにしての回避は難しい、かと言い踏み込んだ際に左足は浮いてしまう。両手を添えている為…攻撃も受け止められない。


「ぐぅ……」


見事に蒼井の右ストレートが疹の顔面を襲う。そして、腹を蹴り飛ばす。


「じゃっ!ちょっと得物取ってきます」


しかし、そこで追撃は行わず自らの武器を取りに走る。




ーーー


そしてたどり着いたのはゲタ箱。蒼井の取り出した得物とは……日本刀。


「それを捨てろぉー!!」


「嫌だね。一応由緒正しいご家庭からの嬉しい誕生日プレゼントですから!」


皮肉な口調で疹を挑発する。



そして…刃と刃は交わった。

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