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魔法学園

いじめって怖いですよね……

どうも、陛下に裏切られたアリスティア・ローズです。

第一王子とは婚約したくないと言ったのに『すまん』の一言で、見事に第一王子と婚約させられたアリスティア・ローズです。

平常心を保っている様に見える私は

『すまん』の一言で済まされるかァァァァ!

と本当に侯爵令嬢かと疑うような言葉遣いで、内心怒り狂っていた。

「まぁまぁ。そんな怒らない。そんな顔してたら可愛いお顔が台無しよ?」

「分かっているよ。でも、第一王子は絶対に嫌だったなぁ。そういえば、レイは元気かな」

レイは王都に呼び出されて一週間後に引取先が見つかって、ローズ領を出て行った。

「レイって貴方が抱きしめていた同い年ぐらいの子?」

「なっ⁉やめてよ、その言い方!」

「ナーヴァ家の子だっけ?レイって名前だったかなぁ?」

「どうせもう関わることはないし」


それから入学式が終わり、私は陛下にお呼び出しを食らった。

気まずそうに目を逸らす陛下の後ろには、この国の大神官が立っていた。

きっと魔力測定が目的なのだろう。

「…やはり、怒っておろうな」

「えぇ、とっても」

笑顔で答えた私は現在進行系で国王に殺気を向けている。

「ではアリスティア。殺気を出すのをやめてくれないかい?」

「何の話でしょう?」

やめる訳がなかろう。

第一王子と婚約させた罪は重い。

そう言わんばかりの殺気を出しまくっている私に陛下はかなり怖気づいていた。

「それより今日は何の御用ですか?」

「今日はアリスティアの魔力量をこの測って貰ってほしくてな」

国王は逃げることは許さないといった顔で私を見ていた。

「お手を」

大神官が手を差し出してきた。

私は素直に応じた。

魔力測定は測定対象と大神官が手を繋ぎ、測定対象が限界まで魔力を大神官に流し込む作業をしなければならない。

「どうぞ。魔力を流し込んでください」

私はゆっくりと魔力を流し込んだ。

その後を説明するとざっとこんな感じだ。


三十分後

大神官がうめき出す。


一時間後

大神官が震えだす。


二時間後

大神官がのたうち回る。


三時間後

大神官が光を放つ。


四時間後

部屋が爆発する


「これ以上は、やめたほうが良いです」

「せめて二時間経ったあたりで止めてもらえなかっただろうか」

大神官は、うめき声をあげながら震え、のたうち回っているその体はカラフルに光り輝いている。

部屋は跡形もなく吹き飛んでいた。

「大神官様…魔力酔いでしょうか?」

「この症状は初めてみた」

魔力酔いとは、人の魔力が自分の魔力を上回ってしまう時に起こる現象だ。

魔力酔いが起きる人は大神官や神官ぐらいだ。

彼らの仕事が、魔力を流し込んでもらい、魔力を測るものでなければ魔力酔いを起こすものは居ないに等しい。

私は大神官に魔力を注ぎ過ぎたのだ。

「部屋…どうしような」

「陛下、復元魔法を使えたりしませんか?」

「無理だな。アリスティアよ。気合で直せんか?」

気合でって…

無理に決まってるでしょ。

「…修理代は陛下が払っていただけますよね?」

「う…うむ…」


「ひ…人が多いね…」

「全校生徒強制参加って何よ…」

私達は魔法学園の入学パーティーに招待されていた。

パーティでは婚約者がエスコートするのが常識なのだが、第一王子であるサリオンは私の近くには居なかった。

私も、エスコートして欲しいなんて考えていない為、気にもならなかった。

「ユリア。婚約者が呼んでいるわよ。行きなさいよ」

「ありがとうアリス。ジョン様と楽しんでくるね」

ユリアは婚約者であるジョン・ハーヴィーの元へ走って行った。

ジョン様は私に軽く会釈し、二人でどこかに行った。

ちなみに私は六ヶ月前に目を覚ましたから、異性との関わりはほとんど無い。

私は恋愛結婚がいい。

政略結婚のような想いのない結婚は絶対に嫌だ。

「ちょっと貴方」

見覚えのない令嬢が私の前に複数人立っていた。

「何でしょう」

「これ以上サリオン殿下を誘惑するのはやめてくださらない?」

「そうよ!婚約者候補は私達だったのに、候補ではない侯爵令嬢の貴方が婚約者だなんてふざけるのも大概になさい!」

「私達がどれだけ努力したかも知らないくせに!」

とんでもねぇ誤解ですが…

完全に輩にに絡まれている。

恐らく第一王子の妃になりたがっている輩に。

私は何を言えばいいのか分からず、黙ってしまった。

「なんとか言ったらどうなのよ!」

私の無言は彼女達の怒りを増幅してしまったのだ。

リーダーらしき令嬢が、自分の持っていたぶどうジュースを私にかけた。

学園に居る者は全員未成年の為、お酒は置かれない。

「……このドレス、意外と高いんですけど。弁償してもらってもいいですか?」

「生意気ね!」

彼女はついに私を叩いた。

痛い…

「もう帰ります」

私はこれ以上の騒ぎを起こしたくなかった。

そして、これ以上この場にいたくなかった。

私が立ち上がり、帰ろうとした時に第一王子が来た。

「何の騒ぎだ」

私を叩いた令嬢は、取り巻きの持っていたジュースを自分で頭から浴びて、グラスを地面に割れないように置いて、私の近くに転がした。

そして膝から崩れ落ちた。

何がしたいのだろう。

「セリーネ嬢⁉なぜジュースで濡れているのだ?」

「アリスティア様が…私に『殿下に近づくな』と言ってジュースをかけてきたのです…」

「なんて事だ…」

いや…

言ってないし、やってませんけど…

てか、やられたの私です…

私もジュースまみれで頬が腫れているのにも関わらず、サリオン殿下はセリーネと言う女を疑う事無く信じたのだ。

「私はそんな事やっていません。むしろやられた側です」

「誰が貴様の話など信じるものか!どうせ自分でジュースを浴びてセリーネ嬢を貶める気だったのだろう!」

無論。

逆である。

「違います。やっていません。少しは婚約者の話を信じてはどうでしょう?」

「貴様が俺の婚約者を名乗るな!」

駄目だこの人。

私だって陛下の御命令で仕方無く婚約したのに、この扱いって。

「話になりません。帰ります」

限界だった。

ただでさえジュースをかけられて寒いのに、濡れ衣を着せられるのは実に理不尽だ。

私は邪魔な生徒を避けて、家に帰った。

これ以上悪者になりたくない。


あれから、三ヶ月も経ったのに私に向けられた視線は、まだ信じられないほど冷たかった。

そして、ユリアにも避けられている様な気がする。

この間の彼女は、セリーネ・ブラウン公爵令嬢。

私の家の一個上の爵位を持っているから、下手に攻撃できない。

あのパーティ以来、私はセリーネ様と殿下に謂れのない罪を着せられている。

『暇だのう…』

仕事があるんじゃないの?

『今日は休みだ』

そう。

授業中なんで邪魔しないでね。

『えー』

この謎の声の持ち主はゼノン。

直接会った事は無いけど、先月仲良くなった。


『暇だのう…』

え?誰?

今は授業中で、誰も喋る人は居ない筈…

『む、貴様。我の声が聞こえるのか?』

「え?あ…はい」

「ローズさん。どうしましたか?」

私の呟きは先生の耳に届いたらしく、声をかけられた。

「え?いえ…声が…」

「何を言っているのですか?」

「……いえ、なんでもありません」

皆には聞こえてないみたい。

どうして私にだけ聞こえたんだろう。

『すまない。お前以外に我の声は聞こえない。先に言うべきだったな。返事はせんでも良いぞ。お前は心の中で俺と意思疎通できるらしいからな』

なぜでしょうか?

『恐らく貴様が我と同等の魔力を持っているからだと…いや、それはないか?我の魔力量はバケモン並みにあるしな』

いえ、その憶測は恐らく合っています。

私も魔力量バケモンです。

『本当か?嫁は居るが、あいてにしてもらえなくてな。ずっと一人で何も無い城の部屋の中に居て、人と話す機会が無くて、正直寂しかったのだ!』

そうなんですか。

私も3ヶ月前、少し悲しい事があって、たった一人の友達であり、親友でもある子に避けられている様な気がして寂しかったんです。

『それは寂しいな…では貴様。我とこれから仲良くしようではないか』

いいんですか?

『これも何かの縁だ。我が名はゼノンだ』

私はアリスティア・ローズです。

さっき、城と言っていましたが、貴方はどこかの国の王族ですか?

『なんて答えたら良いものか…違うとも言えないし…今は言えんな』

では、時が来たら教えてください。

『分かった。ところでアリスよ』

あっ、ゼノン様も愛称呼びですか。

『不服か?と言うか、我は呼び捨てでいいし、敬語もいらん』

いつも愛称呼びの人が多いので、助かります?

『…何故疑問形なんだ』


これがゼノンとの初めての会話だ。

『休み時間らしいがお前はどこか行かなくてもいいのか?』

えっ、もうそんな時間?

図書室に行こうかな。

『じゃあ我もそろそろ、仕事をするか。じゃあなアリス』

またお話しようね。

私は席を立ち、図書室に向かった。

「ちょっと待ちなさいよ」

セリーネ様とサリオン殿下…

「何でしょう」

「お前、セリーネの私物を壊したりしていると言うのは真実か?」

無論。

無実である。

わざわざ廊下で、大声で言う事なのかな。

どうせ無実だと言っても信じないでしょうね。

「無実です」

「嘘をつけ!」

ほらみろ。

「証拠を出してもらってもよろしいでしょうか?」

「お前の使っている万年筆のインクがセリーネの教科書にぶち撒けられていた!」

「殿下…万年筆と仰りましたが、私は昨日万年筆を失くしてしまったので不可能です」

「嘘を言うな!」

ん?

待って?

「何故、私の万年筆のインクの種類が分かったのですか?」

「……に…匂いだ…」

無理があるだろ。

なるほど…

自作自演か…

そんなに私の事が邪魔なのか。

なら、話していても意味が無い。

時間の無駄だ。

私はその場から立ち去ろうとした。

セリーネ様とすれ違おうとした時、セリーネ様が倒れた。

「きゃあ!」

「セリーネ!大丈夫か⁉」

何故セリーネ様は私をそこまで私を貶めたいのですか?

「お前…セリーネに謝れ!」

どうして?

どうして何もしていないのに謝らなくてはならないのですか?

「アリス!」

走って来たのはユリアだった。

久しぶりに顔を見たなぁ。

ユリアは私に近づいてきた。

「ごめんね。アリス。ジョン様にもうアリスには関わるなって言われてて会いに来れなかったの…でも…アリスは親友だし、そんな事はしたくなかったの」

ユリアが私の手を握ってそう言った。

その言葉を聞いた時、私の中で何かが切れた。

嬉しい筈なのに、私は乱暴にその手を振り払って、ユリアを突き飛ばした。

ジョン様が近づいて来ている事も構わずに私は言った。 

「っ…!いい加減にしてよ!三ヶ月も避けておいて、婚約者が関わるなって言って来た?そんなことはしたくなかった?そんなふざけた言い訳が通じると思っているの?何が『幽霊少女』よ!何が親友よ!いちばん大事な時に、親友だって言った人の事を救わなかった癖に、救世主を語らないでよ!肝心な時に側に居てくれなかった貴方が、私の親友なんて語らないでよ!」

ユリアは驚いた顔をして、地面に座っていた。

「ユリア!大丈夫⁉」

ユリアと仲が良い令嬢とジョン様がユリアに近づいて私を睨んだ。

どうして私はあんな事をしたのだろう。

確かに心の底で少しだけそう思っていた。

でも、突き飛ばそうなんて思ってない。

私は手の平を見つめた。

「酷い…助けようとしてくれた人にあんな仕打ち…あんまりだわ…」

「無実とか言ってたが、あいつが犯人だろう」

違う…

私は本当にセリーネ様には何もしていない…

「立てるかい?」

ジョン様がユリアを支えながら言った。

「大丈夫だよ。いっ…」

ユリアは足を抑えた。

私が突き飛ばした時に挫いたのだろう。

「腫れてるな」

「ユリア…」

私がユリアに近づこうとした時、ジョン様がユリアを抱きかかえて私を睨んだ。

「貴様にユリアを心配する権利はない」

「……」

冷たい声でそう言ったジョン様からは、私を心から軽蔑している事が分かった。

私はユリアを抱えて去って行くジョン様を、見つめる事しか出来なかった。

「信じられない。セリーネ様だけじゃなくて、ユリア様にまで怪我をさせるなんて」

「君もあんな女に絡んではいけないよ」

「早く退学にならないかしら」

私はその場から、走り去った。

もう本当に嫌だった。

私は誰も人が寄り付かない第七図書室に入った。

この場所が私は一番好きだ。

私は扉にもたれかかり、座った。いつもは落ち着いている筈なのに、なんで今日は涙が溢れてくるんだろう…

「う…うぅ…ああああああああああああ!」

限界だった。

濡れ衣を着せられる苦しみも、友達を失う悲しみも、分かってくれる人なんて居ない。

誰にも分からないこの気持ちは…

どうすればいいの…?

お願い…

誰か…

助けて…


「見てあれ。ユリア様とセリーネ様に怪我させた令嬢だそうよ」

「まだ学園に居たのか」

「さっさと出て行ってくれないかしら」

私に向けられる視線はまだ冷たい

「あら、アリスティア様。ご機嫌よう」

セリーネ様が私の元に来た。

また、謂れの無い事をやったと騒ぎを立てるのかな。

「闇魔法発動」

「痛っ!」

何が起きたの?

セリーネ様が私に闇魔法を当てた。

あのセリーネ様が私に堂々と嫌がらせをするなんて…

「ふふっ。驚いたでしょう?これから放課の度に魔法演習をするのよ」

どういう事?

何のつもり?

「的はアリスティア、貴方よ。さぁ、皆思う存分魔法を放ちなさい!」

「っ…!」

やばい!

逃げないと!

私は嫌な予感がして、急いで走った。

どこへ行っても生徒が居て、逃げ場が無い。

私が最上級魔法を使える事は陛下と王妃様、両親しか知らない。

手加減が出来るか分からない。

私は両手を追って来る生徒に向けて、水魔法を発動した。

「中級水魔法発動!」

「きゃあ!」

私の使った水魔法は波の様な形をし、生徒達を流した。

思ったより遠くに流された生徒も居た。

正当防衛…

なのかな…?

良かった。

怪我人は居ないみたい。

「待て!」

エリック…

「お前…!」

エリックが私に近づいて来た。

私はエリックに手の平を向けて、威嚇した。

「来ないで!」

エリックは傷つけたくない。

エリック・セイナン。

彼は私の幼馴染だ。

二歳の時以来会っていなかったけどね。

「目が覚めていたのか…アリスティア、お前…どうしちゃったんだよ…昔は人を傷つけることをするような奴じゃなかっただろ!」

「私だってこんな事したくない!」

「だったら!」

「誰も話を聞いてくれないのに、平和的に解決できる訳無いでしょう!」

エリックは再び私に近づこうとした。

「来ないでって言ってるでしょ!」

私は軽くエリックに水魔法を当てた。

だが、エリックは止まらなかった。

「こんな弱い魔法で俺を止められると思ってるの?」

「来ないで!あっち行って!」

「アリスティア…」

「浮遊魔法発動」

私は浮遊魔法でエリックから離れた。

もうやめてよ。

「もういい加減にしてよ!」

私は大声で言った。

その瞬間、大量の魔力が体の外に出た。

まずい。

魔力暴走を起こしそうになっている。

「うぅ…くっ…ああ”!」

まずい。

本当にまずい。

「最上級防御魔法発動。学園の皆を守って…」

魔法を発動させた時、私は限界を迎えた。

私の魔力は全て攻撃魔法に変わり、魔法学園の校舎を破壊した。

幸い、私が防除魔法の結界を張った為、生徒は無事みたい。

だけど、魔力暴走は止まらない。


そこから何時間その状態だったか分からない。

私が張った防除魔法のせいで、誰一人その場から離れる事が出来なかった。

そして魔力暴走が収まった瞬間に、私の意識は薄れ始めた。

「防除魔法解除…」

薄れ行く意識の中、私に駆け寄るエリックとユリアが見えた。

呼びかける二人に返事をする気力も無く、私は意識を失った。


次に目を覚ましたとき、私は自室で眠っていた。

私は飛び起きて、学園が見える窓の方へ走った。

学園はまだ直っていなかった。

と言う事は、あれからあまり時間は立っていない。

そんな事を考えていたら、部屋の扉が叩かれた。

入ってきたのはメアリーだった。

「お嬢様…?」

彼女は大きく目を見開いた。

「メアリー。あれからどのくらい経ったの?」

「ちょうど今日で十日目です」

「死人や怪我人は?」

「皆様、謎の最上級防御魔法に守られ、無事です」

「そう。少し出るわ。浮遊魔法発動」

私は窓を開け、浮遊魔法で学園方面へ飛んだ。

最上級魔法には壊れた物を治す魔法が存在する。

それで学園を治す。

だが今、私は行ってはいけない気がする。

「最上級認識阻害魔法発動」

私の髪色は金色から白色に変化した。

瞳の色も恐らく変わっているだろう。

「初級水魔法発動」

水玉に反射した私の瞳は赤色だった。

これならバレることはないだろう。

最上級魔法を使ってもバレまい。

「最上級浮遊魔法発動」

こっちの方が早く学園に着きそう。

案の定めっちゃ早く着いた。

生徒達が学園の復旧作業をしていた。

生徒達は作業の手を止めて顔を見合わせた。

「え?誰?」

「知らない」

バレてはいないみたい。

「学園復旧のお手伝いをしましょう。最上級復元魔法発動」

私は今いる位置よりも高い所に飛んで、復元魔法を発動した。

「わぁ!すごい。元通りになってる!」

「あの方はもしかして天使なのか?」

「まさか、あの時アリスティア・ローズの魔力暴走から救ってくださったのはこの方か?」

「天使様だ!」

「ありがとうございます!ありがとうございます!」

私がアリスティアの姿だったら、こんな事言われなかっただろうな。

きっと感謝なんてしてもらえなかっただろう。

「アリス?」

ユリア…

反応しては駄目。

初対面のフリをしないと。

「私ですか?」

「うん」

ユリアは返事をした。

正解とは言えない。

でも、ユリアの足を直してあげたい。

よし…

「私と貴方は初めましてですよ?あれ?足を怪我していますね。回復魔法をかけますね。こちらに座って、靴を脱いでください。中級制作魔法発動」

私は制作魔法で椅子を作った。

ユリアはそこに座って、靴を脱いだ。

ユリアの足は腫れて赤くなっていた。

こんなに腫れているなんて…

私があの時突き飛ばさなければ。

「最上級回復魔法発動」

「あの…貴方は一体…」

一人の教師が私の元に来て、聞いた。

どうやらバレていないみたい。

私はアリスティア・ローズと名乗ってはいけない気がした。

だから嘘をつくことにした。

「私は平民のアリシアと申します」

平民だと嘘をついた。

無理があったか…?

「平民は魔法を使えないって聞いたけど…」

「私には元貴族の父がいます。それが理由でしょう。私はこれでお暇させていただきます。浮遊魔法発動」

私は誰の話も聞かずに飛び立った。

流石にあそこに居続けたらバレる。

作者ながらアリスティアが心配になってきます

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