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#58・ビクトール国の終末 ②




痛かった。

確かに痛かったけれど。



「ーーーーこれから、ビクトール国王はどうなるのですか?」


「そうだね・・・探れば探るほど悪事が沸いて出てきた。父と母に報告したら珍しく激怒されてねーーールナの望む結末になると思うよ」


「そうですか・・・・それは、嬉しいーーー「ルナっ」」



怪我の痛みからか、サイラス様の言葉に安心したのか。

わたしの意識はフッと深い底に沈んでいったのだった。







次に目が覚めたときは、わたしはふかふかのベッドで眠っていた。

側に居た侍女がわたしが目を覚ましたのを確認すると血相変えて部屋から出て行った。

まだ、頭がぼんやりとしている。

天井を見つめながら瞬きをゆっくりと繰り返していると、バタバタと足音が聞こえてきて、ドアが勢いよく開かれた。



「ルナ!」



飛び込んできたのはサイラス様で、彼にしては珍しく髪は乱れている。相当慌ててきたのが見て取れた。



「サイラス様・・・」


「体の調子はどうかな?もう、5日も寝たままだったから・・・」



5日!?そんなにわたしは寝てしまっていたなんて・・・。

肘を支えに体を起こそうとすると、サイラス様が背中を支えてくれてた。

背中にクッションを置いて、体に負荷が掛からないようにしてくれる。



「ありがとうございます。・・・体は、大丈夫です」


「本当に?一応、診てもらったが、頭が痛かったりは?」


「痛くないです」


「なら、良かった・・・」



はぁぁ、とサイラス様が深く安堵の息を吐いた。

とても心配させてしまっていたみたいだ。



サイラス様の後ろには大きな窓がある。

その先に見える外の景色。

太陽の光で明るい外の景色に、見える大きな木。風が少しあるのか葉が揺れている。

穏やかな陽気のように見える。



「ーーーーサイラス様」


「うん」


「ビクトール国王はーーー父は、どうなりましたか」



5日もわたしは寝たままだった。

その間に物事は進んでいるはず。


「あぁ・・・ビクトール国王は、罪状の多さにより、王位剥奪、絞首刑に処されることになった。娘のレジナは、気が触れたようすでずっとうわごとのように何か呟いているらしい。物事の判別もできないことから初めは父親と同じ刑にする予定だったけれど、監視を付けた上で治療院に入院させることになった」


「そうですか・・・」



父親の罪状は当たり前である。

わたしが願っていた結末であるから文句などない。

我が儘言い放題だったレジナが気が触れたことは、少し予想外であった。

自分の思い通りにならなかったことがなかった彼女にとって、父親にも見放されてしまった今回のことは気が触れてしまうことにショックだったのか。



「ビクトール国は、王家全て処罰対象。国民には、混乱を招かないように我が国の属国になることと、それに伴い王制の編制ということで伝えてある。不思議なことに現国王が替わることに国民はあまり反応がなかった。国の頂点に興味はないのか・・・・国柄なのか、王の人徳の無さと言うべきなのか・・・こちらとしては、暴動の心配とかないみたいだからありがたいけどね」


ついでに、これを機に国名も変えるとのことだ。

ということは、サイラス様は戦争無くして事を収めたということになる。

わたしの当初の目的どおりには事は進まなかったけれど、結果的に血を流さず父に復讐することができ、国を実質滅ぼすことになった。



ーーーーわたしの復讐は、終わり、ということ。





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