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#56・真実 ③




「ーーーー実は、知っているんですよ?」


「な、何を・・・」


「私の口から言ってよろしいのですか?」



ニッコリとサイラス様は微笑む。

ビクトール国王は、サイラス様の笑みにたじろぐ。



「な、何を知っていると?」


「ーーーー身代わり」


「ひゅっ」


「と言えば、分かりますか?」


「一体何のことやら・・・」


しどろもどろ、額には脂汗を滲ませながらビクトール国王は、目を泳がせる。

それだけで、全て答えは出ているというのに、なんとも無様なものだ。



「それとも、他の事のほうがいいでしょうか?」


「え?」


「不法税収、人身売買、敵国へのスパイ・・・まだまだありますよ?」



(え、そんなにあったの?)



ビクトール国では、私はほとんど部屋に閉じ込められていたから外の様子はイマイチ分からなかったが、サイラス様から紡がれる言葉は、ビクトール国王の人柄を、悪行を露わにするのに充分だった。



「な!何をでたらめばかり!!!不敬だ!!!」


「不敬なのは、どちらでしょうね?私達は、ビクトール国に騙された」


「っ」


「偽物の花嫁を嫁がせるなんて、ね」



ビクトール国王は後ずさる。



「まぁ、これは、こちらにとっては良い材料になったわけだからいいんですけどね。ーーーずっと、側で私の部下がそちらの状況を探ってくれたからごまかしは無理ですよ」


「っなんだと、」


「貴方の思惑など、こちらにとっては手を取るように分かることーーーーさて、これは、どうしたらいいでしょうね?」



コテン、とサイラス様は、首を傾ける。

とぼけたような、これからどうしようか迷っているような素振りに、その表情を真に受けたビクトール国王はニヤリと口を歪めた。



「こ、これは陰謀じゃ!儂は関係ない!」


「ほう?」


「偽物の、花嫁など・・・っ儂は、嵌められたのじゃ。我が娘ではなく、そこの女を嫁がせるように唆されてしただけじゃ!そ、そうだ、今からでも元に戻そうではないか。そこのレジナは、儂の可愛い娘、お似合いではないか!」



「・・・」



「そして、偽物の花嫁は、こちらで処分しましょうぞ?儂は嵌められたのじゃ。仕方がなかったのだ」



うん、この人一体何を言っているんだろう?

さっき自分の娘ではないと言い張ったその舌の根の乾かないうちに今度は、自分の娘だという。

そして、わたしを処分する?

陰謀?

嵌められた?



城医たちに手当てされて、落ち着いてきたわたしは、体を起こそうと肘を起こす。気づいた城看護師が背中をささえてくれた。



「サイラス殿。ここは、穏便に。全てが元通りになれば、問題ないであろう?他のことも儂ではない。宰相が儂を唆してしたことだ。国に帰り、厳罰に処すと約束しよう」



ニヤニヤと、何故かビクトール国王は、嗤っている。

もしかして、サイラス様がこの状況の判断に迷っていることを自分の都合のいいように解釈したのではないか?

言いくるめれば、自分の都合のいい方に転がると、このアホは本当に思っているのだろうか?





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