#54・真実とは①
「離してっ離しなさい無礼者っ」
逃れようとするレジナに、捕らえている騎士たちは不安をちらつかせながらサイラス様を見る。
「サイラス様、貴方は騙されているのです!その女に!!」
「ーーーへぇ?」
「私こそがレジナです!貴方の本当の妃なんですよ!」
喚くレジナに、見ていたわたしは呆れてしまった。
レジナは、サイラス様が何も知らずにわたしをレジナとして迎え入れていると思っている。
だから、自分が本物だと訴えればこの状況が変わるだろうと信じて疑っていない。
(ーーーそんなはずないのに)
「キミが、本物だと言う根拠は?」
「お父様に聞けば分かりますわ!」
「お父様とは?」
「私の父は、ビクトール国王ですもの!」
サイラス様は、ビクトール国王という言葉を聞いてため息をついた。
「ーーーじゃあ、本人に聞いてみないといけないなーーーオルガー」
「え?」
「お連れしましたよー」
場にそぐわぬ軽快な声と共に2人入ってくる。
1人は、わたしは見たことがない。
「な・・・なん、」
レジナは、最初に入ってきた男を見て目を見開いている。
知り合いだろうか?
でも、サイラス様が名前を呼んだということは、彼に仕えている人なんだろう。
そして、もう1人は。
「これは、どういうことか説明してもらえるだろうか?ビクトール国王?」
「っ」
顔なんて見たくないビクトール国王だった。
「!お父様!」
レジナは、ビクトール国王を見て歓喜の声を出す。
「い、一体これは・・・」
震えた声を出すビクトール国王。
今まで見たこともないくらいの蒼白だ。
傲慢な姿しか見たことないから今の姿は初めて見る。
「見ての通りだ。私の婚約者をこんな小屋に誘拐し、暴行した女を捕まえたら、自分は本物のレジナだ、私の妃になるのは自分だと虚言を吐くのでな」
「・・・なんと」
ビクトール国王は、頭を抱える。
「お父様!本当のことをおっしゃって?私が本物のレジナだと、妃になるのは私だと証言してくださいな!そして、あの女を始末して!」
ギュッとわたしを抱くサイラス様の手に力が籠る。




