#47・サイラスとルナ ①
「ルナは、どうしてここにいるの?家族の人は?」
周りを見渡すけれど、ルナの親らしい人は見当たらない。
「家族?そんなもの、いないわよ」
ルナは、自嘲するように呟く。
「え」
「わたしに親はいない。見て分からない?」
「・・・・」
見て分からないから聞いたんだけどな。
そう思っても言葉にはしなかった。
なんだか怒らせてしまうと思ったから。
ルナは、ジッと私を見たあと、身を翻してまた歩き出してしまった。
「あ、ルナ嬢!待って!」
「?なんで」
「なんでって・・・えっと、そうだ!もっと私と話をしようよ」
上手い言葉が見つからなくて、なんとか絞り出す。
ルナは、意味が分からないと首を傾ける。
「貴方、偉い人でしょう?」
「え?」
「今日のパーティーの招待客でしょ」
「そう、だけど・・・」
「なら、パーティー会場に戻ったら?わたしなんかに構おうとしないで」
突き放そうとするルナの言葉。丸くて綺麗な瞳は冷たさを帯びていて、表情から体全身から私を拒絶しようとしている。
ここにいるからそれなりの身分の子じゃないのか?
お着せを着ているわけでもないから使用人とかではないだろう。
私と”同じ”ではないの?
「じゃあ」
ルナは、私に興味を無くしたかのように歩き出す。
去って行こうとするその背中は、私を拒絶しようとしながらも寂しそうにも見えた。
「ーーーーー」
「ーーーーー」
「ーーーいつまで、着いてくるの」
パーティー会場に戻らずにルナの後をついて行っていた私に、ルナは呆れたように足を止めてくれた。
「いつまでって、ルナ嬢が行くところまでかな」
「なんで」
「何でって言ってもなぁ・・・あ、そう、今日私と同年代の子はルナ嬢しか見つけられていないんだ。せっかくなら話し相手になってくれると嬉しいんだけど」
「?会場で探せばいるでしょう?」
「今から探すのは面倒だから、ルナ嬢が相手してよ」
「・・・・はぁぁ」
ルナ嬢はため息をつくと、また歩き出した。
あ、まだダメだったかな?ダメでも着いていくけど。
流石に何度も拒絶されたら傷ついちゃうんだけど。
少し先を歩くルナの背中を見つめていると、数歩歩いてルナは肩越しに振り返った。
「?」
「少しだけなら話し相手になってあげるわ:
「!本当かい?」
「でも、ここじゃダメだから。こっち」
「うん!」
ルナが心を少し開いてくれたことが嬉しくなって、私はルナの横に並んだ。
「ルナ嬢は年いくつ?」
「・・・確か、5歳」
「私の一つ下だね」
「そう」
「じゃあ、どこの子なの?今日はパーティーに?」
「・・・」
ルナは、チラッと私を見て、また前を見る。




