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#17・実家からの手紙




「−−−おかしい」



ふかふかのベッドに寝転がって天蓋の天井を見つめながらわたしは呟く。



なにがおかしいかって、サイラス様がだ。



結婚式の日取りが決まってから早1週間。

結婚式に向けての準備をしつつ、毎日わたしはサイラス様に同じことを聞き続けている。



「わたしの死刑はいつになるのでしょうか?」



もはや、習慣になりかけている気がする。

でも、何度聞いたってサイラス様は言葉を濁したり、別件でそれどころじゃないとばかり。



おかしい。

本当におかしい。



「ビクトール国が大国のハーゲン国を謀ったのに、なんで先延ばしにされるの?」



わたしの予定では、真実を話した次の日にはわたしの死刑が決まって今頃は、ビクトール国にも兵が向けられているはずだったのに。

それどころか、全く話が進まず、サイラス様止まり。



「なんで・・・わたしの予定と違うわ」



両手で自分の顔を覆う。

予定どおりになんで進まないの。



−−−コンコン。



「レジナ様、ハンナです」


「あ、どうぞ」



ハンナの来訪にわたしは慌てて体を起こす。

ベッドから抜け出そうとしていたときにハンナが中に入ってきた。



「あら、お休みでしたか」


「大丈夫。どうしたの?」


「お手紙が来ていましたので届けに参りました」


「手紙?」



ハンナから渡されたのは、一通の封筒。

裏返して見て、封蝋に印されているマークに目を見開く。



「レジナ様のご両親からのようです」



ハンナは、ニコニコと笑顔だ。

普通だったら、実家からの手紙に涙を浮かべながら喜んだりするのだろう。

ハンナも、親からの手紙はさぞかし嬉しいだろうという気持ちで見ている。

でも、わたしは違った。



「−−−一人で、ゆっくり読んでもいいかしら?」


「もちろんでございます。また、夕食の時に参ります」



ハンナは、疑うこともなく部屋を出ていった。

一人に戻ったわたしは、封蝋をジッと見つめたあと、ゆっくりと封を切った。



5枚ほどの手紙を開くと、娘の体調を気遣う言葉も何もなく、結婚式には行く旨と、わたしの正体がバレていないかの確認、そして念押しが書かれた1枚。

もはや、この1枚だけでいいのでは?と思う内容に何の期待もせずに2枚目に目を通して−−−



握り潰した。



「クズ・・・こんな奴が王であってたまるものですか」



怒りと憎しみとで体が震える。

体の中の血が沸騰しているみたいだ。




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