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#13・わたしには不必要なこと



カラフィナが準備していたドレスは、それはそれは美しかった。



「いかがですか?」


「とても綺麗・・・」


「良かったですわ!早速着て頂いても?」


「え、えぇ・・・」



促されるままに着替えさせられる。

等身大の鏡を前に置かれたとき、自分の姿を見て、思わず息を呑む。



「これ・・・わたし?」


「もちろんです!とてもお美しいです!」


「レジナ様、素敵です」



カラフィナやハンナに褒められる。

わたしはマジマジと鏡に映る自分の姿を見た。

わたしってこんな顔だった?

こんなきれいな服を着ている姿なんて信じられない。



「少し、手直しをしますわ。結婚式楽しみですわ」



当日つけるという装飾品もつけられる。

ピアスにネックレス、ブレスレット、そして、ティアラ。

どれもキラキラと輝いていて、価値を考えると恐ろしい、動けないわ。



「どれも、レジナ様を惹き立てる素晴らしいものですわ。安心いたしました」


「わたしには過ぎたものだと思うのだけど・・・」


「何をおっしゃいますか!貴方様は、この国の次期王となるサイラス様のお妃様になるのですから!これでも控えめな方なのですよ」



カラフィナは、鼻息を荒くする。

勢いに身を引きながら、わたしはもう一度鏡を見る。



やっぱり、わたしには身分不相応なものだわ。



「レジナ様?」


「あ、なに?」


「ご気分が優れないのでは?」


「まぁ!私ったら申し訳ございません!ドレスや装飾品の確認は以上で終わらせていただきます!ドレスだけ明日最終確認をさせてくださいませ」


「あ、いや別に」



カラフィナは、あっという間に片付けを済ませてしまうと帰っていった。



先程まで賑やかだったのに一気に静かになる。



「申し訳ございません、私も失念しておりました」


「気にすることはないのよ・・・」



静かになってわかった。

わたし、結構疲れてたのね。


どっと疲れが押し寄せてきて、わたしはソファに座る。



「今日1日お疲れ様でございました」


「ねえ、ハンナ」


「はい」


「もしかしなくても、これからも色々とあるのかしら?」



ハンナは、休憩用に紅茶を淹れてくれた。



「カラフィナ様も仰ってましたが、レジナ様は次期王であらせられるサイラス様のお妃様になられます。身なりから礼儀作法、知識・・・全てが求められることになります。ハーゲン国について学んでいただいたり、ビクトール国と違うことが多々あるかと思います。」



結婚式までに身につけるなんて無謀なことは言わないから、なるべく早く覚えてもらうために今から、とハンナは忠実に、国のためサイラス様のため、そしてわたしのためにと考えてくれている。



ありがたい。素直にありがとうと言いたい。

でも、わたしは偽物。



きっと、すぐに新しい別の妃を迎えるだろうから、わたしには必要のないこと、と言えたらどんなに楽になるだろうか。







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