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#10・次の日の朝




その日は、今までで1番ぐっすりと眠りことができた夜だった。

普通だったら、いつ死刑になるのか怯えて眠れないことが普通だと思うが、今のわたしは本当のことを言うことができてスッキリとしていた。



「おはようございます。レジナ様」


「おはよう」



朝、挨拶に来てくれたハンナにも笑顔で返すことができた。

サイラス様に言われたとおり、真実がサイラス様の口から告げられるまではわたしはレジナのままでいなくてはいけない。



「昨日はよく眠れましたでしょうか?」


「はい、ふかふかのベッドでぐっすりと眠れたわ」


「安心いたしました。どこか体調の不調などは?」


「特にないわ」



むしろ、元気すぎるくらい。



ハンナが淹れてくれたモーニングティーを飲みながら朝のひとときを味わっていると、ドアがノックされた。



「はい」


「サイラスです。入っても大丈夫ですか?」


「!もちろんです」



サイラス様が来たと言うことは、もしかして、結論が出たのかしら?



ハンナの方を見ると、心得たようにドアを開けてくれた。



キチッとした服を着て、穏やかな表情のサイラス様。




「レジナ嬢、おはよう。よく眠れましたか?」


「はい」



サイラス様が部屋の中に入ると、入れ替わりにハンナが部屋を出ていく。



パタンと、ドアが閉められた途端に、サイラス様の口調が変わる。



「本当に、眠れたのか?」


「えぇ、とても」



わたしは、にっこりと笑ってからサイラス様の前までいって膝をつく。



「・・・なんの真似か?」


「サイラス様がいらしたと言うことは、全てが決まったのでしょう?−−−わたしの死刑はいつになりましたか?」



すると、サイラス様は朝に似つかわないくらい深く、深くため息をついた。



「まだ、朝だ・・・朝議も始まっていない。よって、貴女の死刑はまだ決まっていない」


「・・・そうでしたか・・・」



なんだ、てっきり決まったかと思っていたのに。



ならばなぜ、ここに来たのだろう?



「・・・いくらなんでも、朝挨拶に来ないなんて周りに仲違いしましたとアピールしているようなものです。挨拶くらい来ます」


「あ、たしかに。そうですね」



昨日、言われたのにすっかり忘れてしまっていた。


これは、形式上の挨拶。



今から、わたし、そしてビクトール国の処遇が決まるのですね。



「−−−怖くないのか」


「え?」


「昨日も聞いたが・・・」


「もちろんです。怖くなどありません」


「・・・・今日の予定は、ハンナから聞いたか?」


「いえ、まだですが」


「そうですか。今日は、ハンナの言うとおりに過ごしてください」



サイラス様は、それだけいうと部屋を出ていってしまった。






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