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末席の勇者と英雄病賢者  作者: クサカリタスク
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第六章22 『狂気の勇者信仰』

 シルク達が戦闘していた場所から少し離れた別の塔の屋上。

 そこにガイ、レナ、そしてレンとカザリが居た。


 二人は魔族の戦闘終了後に、学院に潜入していた二人に声をかけられ、シルクの応援に行くのを阻まれ行動を共にしていた。


「カーライン……」

「シルっち……」


 二人の兄妹は不憫そうにシルクの方を見る。

 だが、白髪の青年だけは反応が違った。


「アハ、アハハハハハハハハハッ!! 見たかいレナ!? あの凄まじい攻撃を!!」


「そりゃまぁ、カザリさんの能力で視覚を共有していたのは私ですからね……。ですが、あれは一体……。あんな強力過ぎる力がこの世にあっていいのでしょうか……」


 彼女が見たのは突如シルクと魔族二人が世界から消失し、ミナスが慌てふためいていた数秒後。

 人間一人が抱えてはいけないレベルのエネルギーを剣と全身に集約させた少年とボロボロの魔族が現れ、少年の放った光線によって魔族二人の存在が消し飛んだ。


【遠見の魔眼】で少年の持つ剣をズームアップしたところ、カザリの【接続】で視界を共有していたレンがアッと大きな驚き声を上げて興奮。

 以降ずっと彼はハイテンションのままだ。


「いいに決まっているじゃないか!! あの魔族だけを滅ぼす光に伝説の聖剣。ああ、なんて美しいんだろう。僕の目に狂いはなかったんだ!! それにレナ、分かっただろう? 勇者は強いから勇者と呼ばれるのではなく、【勇者】に選ばれるから強くなるんだ。君は『順番が逆』と言ったけど、逆じゃない。全く正しい順番なんだよ!!」


 手を大きく広げ、天を仰ぐガイを見て残りの三人の心境は複雑。

 ガイのこの狂信的なまでの勇者思想にシルクとミナスは利用されたのだ。

 もし一歩でも間違えば二人は死に、学院の人間全員は魔族に良いように利用されて殺されていた。


 結果オーライの度を越している。


「ククク……それにしても【末席】の勇者か……。なんて面白いんだ……ククク」


 ガイの熱も収まらぬまま、彼らはシルクやミナス、その他の生徒を救出に向かった。


「『勇者』に『賢者』、ハーフエルフの『咎人』。全く……だからあの絵本とエスティア教は面白くて止められないんだ」


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