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dice  作者: TAKKO
第1章
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第5話 海

 プレイルームでなら何でもできるとアイさんは言っていたが、それは理論値の話である。

 いざ空を飛べと言われて本当に飛んじゃうような奴は、頭がぶっ飛んでいるのである。

 頭がぶっ飛んでるやつのトラブルメーカー率は高いという俺統計に従い、さっさとこの場を離れることに決めた。君子危うきに近寄らずである。


「おん?そこにいるの"(さい)"じゃねーか」


 が・・・・・駄目っ・・・・・!残念ながら俺は変人の相手をすることになるらしい。

 賽とは俺の二つ名のことである。まぁ、一人でサイコロを振ってるやつを見たら、変な奴いるなぁぐらいには思うだろう。俺もそう思う。

 そんな感じで少し話題になってしまった俺は、めでたく二つ名プレイヤーの仲間入りである。

 とはいえ、俺の知名度はそこまでない。先輩野次馬も知らなかったようだし。


「久しぶり、でもねーか。3日前に一緒にクエストやってるもんな」


 俺はよく赫耀と一緒に遊んでいる。こいつがいると移動時間を短縮できるからな。便利なアッシー君である。


「今日もクエストか?手伝ってやるよ」


 散々変人と言っておいてなんだが、赫耀はとても気のいい奴だ。よく俺のクエストの手伝いをしてくれるし、アッシー君扱いしても怒ったりしない。


「受けるかどうかは決めてないが、掲示板を見に行くところだ」


「俺も暇だしついてくわ」


 ついてくるらしい。特に不都合はないので一緒に行くことにした。


「ふざけんじゃねェ!」


 ん?

 モヒカン君が何やら喚いている。


「そんなふざけた答えで納得できるわけねェだろ!隠してねェでさっさと教えろや!」


 新しいものを発見した奴らは秘匿することが多い。秘匿する理由に関して、ユニーク性を保つことで悦に浸りたいんじゃね?と考える人は多いようだ。

 モヒカンも赫耀がそうであると思っているようだ。


「えぇ?さっき言った通りなんだけどなぁ」


 こいつの考えを凡人が理解することはできないのだろう。俺も何度か空の飛び方をレクチャーしてもらったが、何を言っているのかさっぱりだった。

 おっと、サイコロさん。

 喚くモヒカンを無視して掲示板に向かおうとしたが、サイコロさんが現れたせいでそういうわけにもいかなくなった。サイコロさんを振らないと俺は動けないからな。出てきてしまったものはしょうがないので、とりあえず振る。

 出た目は6。

 上振れがすごい。出た目は大きいほど基本良いことが起きる。はずだったのだが。

 気づけばあたり一面血の海だった。中央広場にいた赫耀以外のプレイヤー全員が死んでいた。

 何故こうなったかはさっぱり分からないが、1つだけいえることがある。


「俺は悪くねぇ」

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