第3話 サイコロさん
犬に殺された俺は自宅でリスポーンした。
プレイルームやアースで死ぬと、アースに設置してあるリスポーン地点に戻るようになっている。
たいていの人は自宅に設置している。
一部の連中、脛に傷を持つような奴らは人に見つからないような場所にリスポーン地点を設定する。
リスキルの危険があるからだ。
まぁ、俺のような一般人には関係のないことである。
俺は周りに設置したトラップを作動させないよう、細心の注意を払いつつ家を出た。
特段食事をとる必要はないが、気分を変えるために何かを食べることにした。
食事の必要はないが、趣味として食事を楽しむ人は多い。
また、趣味で料理をする人たちも結構いる。
持て余した時間を費やす方法は人それぞれだ。
早速近くにある行きつけの店に向かおうとしたその時。
目の前にサイコロが1つ現れた。
ベーシックな6面体タイプのやつだ。
俺はそれを手に取り...転がした。
出た目は6。
気が付けば俺は高そうな、回らないタイプの寿司屋で寿司を食ってた。
今日はラーメンの気分だったんだけどなぁ。
文句を言っててもしょうがないので、とりあえず目の前にある寿司を食うことにした。
いつからかは覚えていないが、俺の行動はサイコロで決まるようになっていた。
サイコロの出目によって何をするかが変わる。
さっきのもそうだ。
サイコロを振った結果、俺は寿司を食っていた。
経験則的に、出目が大きいほど良いことが起きるような気がしている。
さっきも6が出た結果寿司を食ってたわけだしな。
まぁ、俺にとってのいいことじゃないのがゴミポイントである。
俺はラーメンが食いたかったのだが。
寿司を食べ終えた俺はプレイルームに向かうことにした。
メニュー画面みたいなものを想像し、プレイルームのタブを選択する。
すると、プレイルームのどこに移動するかが選択できる。
といっても、今のところ中央広場しか選べない。
別の場所を開放する条件は不明だ。
中央広場を選択した瞬間、体が粒子みたいな状態になって消えた。