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第1話 ある日のこと
ある晴れた日のこと。
俺は森の中を歩いている。
左手には地図を持ち、右手には......サイコロを持っている。
地図を見ようと立ち止まったその時、がさりという物音が聞こえてきた。
音がしたほうを振り返ってみると、犬がこちらを見ていた。
大きさはグレートピレニーズ並みにある。かなりでかい。
こちらを威嚇しているようで、唸り声をあげながら威嚇ポーズをとっている。
俺は敵意がないことをアピールするように、顔面に笑顔を張り付けゆっくりと歩み寄る。
一歩、また一歩、少しずつ近づいていく。
こわばっていた犬の体から力が少し抜けたのが見て取れた。
今だッ!!!
俺は右手に持ったサイコロを犬に向けて思い切り投げた。が、犬の速さは相当なものなので余裕で躱された。
犬は躱した勢いそのままに俺へと向かい、すれ違いざまに俺の喉笛を嚙み切った。
俺は大量に血を吹き出しながら死んだ。